(報道事例)無銭飲食をした2人の少年を詐欺罪の疑いで逮捕

2024-01-03

(報道事例)無銭飲食をした2人の少年を詐欺罪の疑いで逮捕

少年事件 無銭飲食 詐欺罪

今回は、千葉県四街道市内の飲食店で無銭飲食をしたとして、詐欺罪の疑いで少年2人が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説していきます。

・参考事例

四街道署は26日、詐欺(無銭飲食)の疑いでいずれも四街道市に在住の17歳の少年2人を再逮捕しました。
2人の再逮捕容疑は共謀し、同市内のファミレスでサーロインステーキなど9900円分を無銭飲食した疑いです。

同署によると、2人は「おなかが減って何か食べたいと思ったが、仕事を始めたばかりで給料も入っておらずお金がなかったため」などと容疑を認めています。
(※12/27に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「「仕事始めたばかりお金なかった」 少年2人、ファミレスでサーロインステーキなど無銭飲食 容疑で逮捕 四街道署」記事の一部を変更して引用しています。)

・無銭飲食で問われる罪

無銭飲食とは、レストランやカフェなどで食事や飲み物を注文し、代金を支払わずに店を去る行為を指します。
一見、単なるマナー違反や社会的な非難の対象に思えるかもしれませんが、実は無銭飲食は刑法上の犯罪行為として扱われることがあります。

無銭飲食をした場合に問われる可能性がある罪として、刑法第246条で規定されている詐欺罪が挙げられます。

  • 刑法第246条(詐欺)
    人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
     前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪が成立するためには、特定の要件が満たされなければなりません。
これらの要件は、刑法によって明確に定義されており、無銭飲食のケースにおいても同様に適用されます。
以下は詐欺罪成立のための主要な要件です。

欺罔行為(人を欺く行為)

犯人が意図的に虚偽の情報を提供し、他人を欺く行為です。
無銭飲食の場合、注文時に支払い能力がないにも関わらず、支払う意思があるかのように装うことがこれに該当します。

錯誤(被害者の誤解)

被害者が犯人の欺罔行為によって誤った認識を持つことです。
例えば、店員が客が支払いを行うと信じて食事を提供する場合、この要件が満たされます。

財産の処分

被害者が財産を犯人に渡すことです。
飲食店のケースでは、食事や飲み物の提供が財産の処分にあたります。

不法な利益の獲得

犯人または第三者が財産上の利益を不法に得ることです。
無銭飲食では、食事を無料で得ることがこれに該当します。

これらの要件が全て満たされた場合にのみ、詐欺罪が成立します。
無銭飲食における詐欺罪の成立は、これらの要件を基に判断されるため、事件の具体的な状況や犯人の意図が重要な要素となります。

・無銭飲食は2パターンの詐欺罪がある?

無銭飲食には、詐欺罪が成立する2つのパターンがあります。
それぞれ見ていきましょう。

意図的な無銭飲食

これは、注文時点で既に支払う意思がない場合に該当します。
このケースでは、客は飲食店に対して支払い能力があると偽ってサービスを受け、詐欺の意図を持って行動していると見なされます。
法的には、これは一項詐欺罪(刑法第246条第1項)として扱われる可能性が高いです。

状況変化による無銭飲食

注文時には支払う意思があったが、後に支払いを避けるために嘘をつくケースです。
例えば、「財布を忘れた」と偽って店を出るなどの行為がこれに該当します。
この場合、二項詐欺罪(刑法第246条第2項)の成立が検討されます。

一項詐欺罪と二項詐欺罪の主な違いは、詐欺罪を行う際の意図と行動のタイミングにあります。
一項詐欺罪は計画的な詐欺行為に焦点を当て、二項詐欺罪は状況に応じた即興的な詐欺行為を対象とします。

・お子様が詐欺罪で逮捕されたら弁護士へ

今回の事例のように、刑法において20歳未満は「少年として扱われ、少年が刑事事件を起こす少年事件」には少年法が適用されます。

少年事件は成人の刑事事件と手続きや流れが異なる点がいくつかありますが、逮捕・勾留段階についてはほとんど同様の手続きが取られます。
つまり、少年であっても逮捕・勾留されて身柄が拘束される可能性があるということです。

子どもが少年事件を起こして逮捕されてしまい、その後の身柄拘束を防ぎたいという場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼をして勾留阻止を求める書面を提出してもらったり、弁護士から検察官や裁判官に対して勾留の必要がないことを主張したりすることで、早期釈放の可能性を高めることができます。

弁護士の中でも、少年事件に詳しく経験豊富な専門の弁護士に依頼することで、早期釈放の可能性をより高めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺罪はもちろん、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が詐欺罪で逮捕されてしまったという方は、まずは弊所までご相談ください。

ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

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