虞犯少年と一時保護

2019-10-07

虞犯少年と一時保護

東京都東村山市に住む高校2年生のAさん(16歳)は、浪費癖が激しく、親からお金をもらってはお金を遊び代に使い果たすことを繰り返していました。そして、親からもらう小遣いでは足りないと感じたAさんは、出会い系サイトで援助交際をしてくれる男性を募り、男性にあっては性交などに応じて男性からお金をもらっていました。そうしたある日、Aさんはいつものように援助交際をしようと思ってスマートフォン片手に街を歩いていると、警視庁東村山警察署の私服警察官から補導を受けてしまいました。その後、警察官はAさんの両親にもこのことを伝えましたが、Aさんを両親のもとへ帰すのは適当ではないと判断し、児童相談所に通告しました。そして、Aさんは虞犯少年として児童相談所一時保護されてしまいました。
(事実を基に作成したフィクションです。)

~ 虞(ぐ)犯少年 ~

虞犯少年とは、少年法3条1項3号イないしニに定められている事由があって、その性格または環境に照らし合わせて、将来罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれがある少年(20歳未満の者)のことを言います。
虞犯少年であるかどうかは、1回限りの虞犯事由の該当行為や行状だけでは判断されず、飲酒、喫煙、怠学、性風俗での稼働・援交の事実等の外部的行状に加えて本人の性格、環境などを照らし総合的に判断されています。

少年法3条1項3号
イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
ロ 正当の理由がなく家庭により附かないこと
ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること
二 自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること

~ 虞犯少年の取り扱い ~

虞犯少年の取り扱いは、年齢により異なります。

虞犯少年14歳未満の場合は、保護者がいないとき又は保護者に監督させることが不適当であると認められるときは、児童相談所に通告されます。その上で、家庭裁判所の少年審判に付すことが適当であると認められる場合に、虞犯事案が家庭裁判所へ送致されます。
虞犯少年14歳以上18歳未満の場合は、保護者がいないとき又は保護者に監督させることが不適当であると認められ、かつ家庭裁判所に直接送致することが不適当であると認められ、かつ家庭裁判所に直接送致するよりも、まず児童福祉法による措置に委ねるのが適当であると認められる場合は児童相談所に通告されます。
虞犯少年18歳以上の場合は、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料される場合に、家庭裁判所に送致されます。

このように、虞犯は犯罪ではありませんが、虞犯少年とされた場合、家庭裁判所の審判に付される可能性があります。
これは、いまだ犯罪行為にまだ至っていない少年を早期に発見し、審判前の調査を通じて、少年に対して適切な保護を与えることにより、犯罪の種(目)を事前に摘んでおこう、という狙いがあるからです。

~ 一時保護とは ~

一時保護は、児童福祉法33条に基づく措置です。

児童福祉法33条1項
 児童相談所長は、必要があると認めるときは、第二十六条第一項の措置を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童の一時保護を行い、又は適当な者に委託して、当該一時保護を行わせることができる。

そして、厚生労働省の「児童相談所運営指針」では、

① 緊急保護
② 行動観察
③ 短期入所指導

を要する場合に一時保護するとしています。なお、①緊急保護については

ア 棄児、迷子、家出した子ども等現に適当な保護者又は宿所がないために緊急にその子どもを保護する必要がある場合
イ 虐待、放任等の理由によりその子どもを家庭から一時引き離す必要がある場合(略)
ウ 子どもの行動が自己又は他人の生命、身体、財産に危害を及ぼし若しくはそのおそれがある場合

と区分されており、A君はアに基づき一時保護された可能性があります。

一時保護の期間は、児童福祉法上は「第二十六条第一項の措置を採るに至るまで」としか規定されていませんが、先の指針では、

一時保護は子どもの行動を制限するので、その期間は一時保護の目的を達成するために要する必要最小限の期間とする。
一時保護の期間は2ヶ月を超えてはならない。ただし、児童相談所長等は、必要があると認めるときは、引き続き一時保護を行うことができる。

としています。

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