少年が強盗致傷で逮捕・裁判員裁判における弁護活動

2021-02-05

少年事件で逆送になった場合やその後の裁判員裁判を見越した弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~事例~

大阪府柏原市に住む少年A(18歳)は、Xらとともに、顔見知りのVを呼出し、殴る蹴るの暴行を加えて現金などの所持品を無理やり奪った。
そしてVは、この暴行により、全治2週間の怪我を負った。
大阪府柏原警察署の警察官は、少年Aらを強盗致傷の疑いで逮捕 した。
少年Aが逮捕されたとの知らせを受けた家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~少年事件でも裁判員裁判?~

少年AはXらと共謀して、Vの所持品を奪い怪我まで負わせてしまっています。
本稿では、「強盗が、人を負傷させたとき」(刑法240条前段 )として、強盗致傷(強盗傷人)罪が成立しうるケースを想定して、その後少年Aが少年事件・刑事事件として手続上どのように扱われることになるのかについて解説したいと思います。

少年事件は通常、家庭裁判所送致を経て、少年審判などの少年法が定める特別の手続に服すことになります。
他方で少年法は、検察官送致 (いわゆる逆送)について定めています(少年法20条)。
同条2項は、被害者を死亡させた事件については原則家裁からの逆送をしなければならない旨を定めていますが、1項は「刑事処分を相当と認めるとき」にも逆送しなければならないと定めています。
したがって、まず弁護士としては、本件の逆送を回避するための弁護活動を行うことが考えられます。
なぜならば、裁判員法2条1項1号は「無期の懲役」を裁判員裁判対象事件と定めていることから、「無期」の「懲役」を含む強盗致傷事件(刑法240条前段)は、原則として裁判員裁判として行われることになります。
これは少年にとって大きな負担であり、逆送されなければ、 家裁の少年審判等に付されるため、裁判員裁判という市民を含んだ裁判という形で裁かれることはないため逆送を回避する弁護活動が重要になるのです。

仮に逆送された場合には、基本的に成人の刑事事件と同じ手続を辿ることになります。
そして本件は、逆送されることも十分考えらえるケースであることから、以下では裁判員裁判を見越した重要な手続についても解説いたします。

~逆送後の弁護士の弁護活動等について~

裁判員裁判実施に先立つこと3年半、2005年末から刑事裁判においてはこれに勝るとも劣らない重要な手続・制度が導入・実施されてします。
それは、公判前整理手続(刑事訴訟法316条の2以下)と呼ばれる争点や証拠を事前に整理するため手続です。
一般的にはあまり耳馴染みのない手続・制度と思われますが、弁護士(弁護人)・被告人にとっては特に重要な制度に他なりません(元来は2つの制度は密接不可分のものだったのですが、後者は現在では独立した重要性を有するに至っています。ここではその経緯等の詳細な解説は省きます)。
そして、弁護士(弁護人)側にとって、公判前整理手続において最も重要と考えられているのが、証拠開示の制度です。
これまで、強制的な捜査権限を行使できる検察官側と、そのような権力・権限を持たない弁護士(弁護人)側では証拠収集能力の点であまりにも大きな格差があるといわれてきました。
この点、公判前整理手続では、請求によって類型証拠や主張関連証拠等といった証拠が事前に弁護士(弁護人)側に開示されることが法定された点で画期的といえます。
本件が逆送された場合、裁判員裁判対象事件であることから、義務的に公判前整理手続に付されることになります(裁判員法49条)。
したがって、弁護士としては裁判員裁判に備えて、かかる手続・制度を十全に活用することにより少年の不利益を最小限化するための弁護活動を行っていくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、逆送事件も含む少年事件など刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
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