強盗致傷事件で逮捕・逆送を回避する弁護活動

2020-08-14

少年が強盗致傷で逮捕された事例を題材に、逆送を回避する弁護活動などにについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

東京都東大和市に住む少年A(17歳)は、駐車場に停めてあった車にカギがかかっていなかったことに気付き、中を物色していたところ、ダッシュボードの中に金員を見つけた。
ところが、車の所有者Vに発見されたため、金員を盗ったAはVを殴りつけ そのまま逃走した。
警視庁東大和警察署の警察官は、少年Aを強盗致傷の疑いで逮捕した。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実を基にしたフィクションです。)。

~強盗致傷罪の構造~

本件で少年Aは、強盗致傷罪の容疑で逮捕されてしまっています。
強盗罪は、財産犯の中でも刑法236条~241条まで様々な類型が存在する犯罪であるため、関連する条文を一つ一つ検討していく必要があります。
そこで、まずは本件の被疑事実である強盗致傷罪の条文からみていくこにしましょう。

刑法240条前段は、「強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処」することを規定しています。
したがって、強盗致傷罪が成立するためには、まず「強盗」であることが必要となります。ここにいう「強盗」は、典型的には刑法236条が規定する強盗罪を犯した者が該当することになりますが、他にも刑法238条の事後強盗罪を犯した者もこれに該当するとされています。
本件では、物を盗む際に暴行・脅迫が行われたわけではないので、238条の事後強盗罪が成立するかを検討する必要があります。

刑法238条は、「窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる」としています。
したがって、まずは「窃盗」が行われたことが前提となりますが、本件では、Aは車を物色した上で金員を「窃取」(刑法235条参照)していることからこれが認められます。

そして「窃盗」を犯したAは、「財物を得てこれを取り返されることを防」ぐため、あるいは「逮捕を免れ……るため」に「暴行」をおこなっており、事後強盗罪が成立することになります。
したがって、この段階でAは刑法240条における「強盗」を行なった者ということになり、Aは、上記の事後強盗の際の「暴行」により、Vを「負傷させ」ていることから、強盗致傷罪までもが成立することになるのです。
このように窃盗罪→事後強盗罪→強盗致傷罪という形で、複雑な入れ子構造になっている点に注意を要します。

~少年事件における弁護活動~

少年事件では、通常の刑事事件と異なり、少年法に基づき特別な手続に付されることになります。
少年は、刑事裁判ではなく、少年審判によってその処遇が決定されることになるのです。
もっとも、刑事処分が相当と判断された場合などは逆送といい、少年であっても通常の刑事事件と同様に刑事裁判によって裁かれてしまうことになります。
さらに、逆送されれば、強盗致傷罪(刑法240条)は裁判員裁判対象事件(裁判員法2条1項)であることから、裁判員裁判となることにも留意する必要があります。
したがって、被害者との示談交渉や刑罰ではなく保護処分が妥当であることなどを主張し、逆送を回避するための弁護活動が何よりも重要になってきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
少年事件では、通常の刑事事件とは異なる点も多いため、少年事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談する必要があります。
強盗致傷事件で逮捕された少年のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)まで 今すぐにお電話ください。

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