中学生が原付を無免許で運転し逮捕
今回は、中学生が原付を無免許で運転し、逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
神奈川県三浦市に住むAくんは15歳の中学生です。
ある日、公道において免許を受けずに原付を運転していたところ、神奈川県三崎警察署のパトカーに止められてしまい、無免許運転が発覚してしまいました。
Aくんは道路交通法違反の疑いで逮捕され、逮捕を知ったAくんの親は大変ショックを受けています。
また逮捕が長引き、事件を起こしたことが学校に発覚すると、高校受験にも悪影響を及ぼすのではないかと危惧しています。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)
~無免許運転の罪について~
原動機付自転車は、運転操作自体はとても簡単なため、気軽に乗れる便利な乗り物ですが、免許を受けずに運転すると、無免許運転となります。
無免許運転は、道路交通法違反行為であるだけでなく、立派な犯罪行為です。
※道路交通法第117条の2の2第1号(抜粋)
第百十七条の二の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 法令の規定による運転の免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者
~少年事件の手続について~
Aくんは、14歳以上にして、無免許運転の罪を犯した「犯罪少年」に該当します(少年法第3条1項1号)。
もっとも、捜査段階においては、刑事訴訟法の適用があるので、少年といえども、逮捕・勾留されてしまう可能性があります。
~事件を学校に知られないようにする~
Aくんの親が危惧している通り、事件を起こしたことを学校に知られてしまうと、高校受験に悪影響を与える可能性が多分にあります。
学校に知られないように事件を解決するためにはどうしたらよいのでしょうか。
1つは、勾留を阻止し、身体拘束の長期化を阻止する、という方法があります。
逮捕・勾留が長期化すると、学校に事件を起こしたことがバレてしまう可能性が高まります。
反面、ケースのように現行犯逮捕されてしまった場合であっても、勾留されずにすめば、長くても3日程度で外に出られるので、今まで通りに登校することができます。
刑事手続上、検察官が「勾留請求」を行い、裁判官が「勾留決定」を出すことによって、Aくんに勾留がつくことになります。
信頼できる身元引受人や、その上申書、勾留に関する意見書を用意し、検察官に対しては勾留請求を、裁判官に対しては勾留決定をしないように働きかけることが重要です。
2つは、警察や家庭裁判所に、事件について学校に知らせないよう働きかけるという方法があります。
都道府県の警察本部と教育委員会の協定により、Aくんらの知らないところで警察から学校に連絡がなされ、事件を起こしたことを知られてしまうことがあります。
高校受験を控えているなど、Aくんの将来設計に関して重要な時季にあることを訴えかけ、学校に連絡をしないよう働きかけることが考えられます。
家庭裁判所(調査官)に対しても同様です。
~Aくんになされる処分~
家庭裁判所は、審判の結果、Aくんに必要な保護処分を言い渡します。
しかしケースの事件においては、適切な弁護活動を行うことにより、保護処分を言い渡さない「不処分」という決定を獲得できる見込みもあります。
もっとも、Aくんを取り巻く周囲の環境が悪く、再び非行に走ることが危惧される状況では、「不処分」の獲得は難しいでしょう。
より有利な事件解決を目指すためには、少年事件に詳しい弁護士のアドバイスが大いに役立つものと思われます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が無免許運転事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。