少年の痴漢事件の手続を解説

2020-06-05

今回は、未成年の大学生が電車内で痴漢をしてしまった場合の手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

東京都町田市に住む大学1回生のAくん(18歳)は、電車に乗って通学中、目の前に立っていた女性Vに劣情を催し、Vの太ももを背後から撫でてしまいました。
驚いたVが「痴漢です」と叫んだところ、騒ぎに気付いたWがAくんの腕を掴んで次の停車駅で降車させ、駅員と鉄道警察隊に引き渡しました。
Aくんは警視庁町田警察署に引致され、Wによって既に現行犯逮捕されていることを知らされました。
Aくんの逮捕を知った親は大変ショックを受けています。
今後どうなってしまうのでしょうか。(フィクションです)

~Aくんに成立する犯罪~

ケースのような行為を行うと、多くの場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例違反の罪が成立することになるでしょう。
Aくんの場合は、犯行を行った時、電車がどこを走っていたかによって適用される迷惑防止条例が異なってきます。
都道府県をまたいで走る電車内での痴漢事件においては、この点に注意が必要でしょう。

~Aくんは今後どうなるのか?~

逮捕されてしまった場合、被疑者本人や、その家族は今後どうなってしまうのか、という点につき、大きな不安を覚えることがほとんどです。
Aくんは大学生ですが、18歳なので少年法上の「少年」です。
したがって、成人とは異なる手続を踏む必要があります。

成人の被疑者が痴漢行為を行い、起訴され有罪判決を受ける場合においては、罰金刑懲役刑などの刑罰を受けることになります。
しかし、Aくんは少年なので、原則として刑罰を受けることはありません(例外的に少年が刑に処せられる場合もありますが、ケースの場合においてはまず考えられません)。

その代わり、必要に応じてAくんに保護処分を言い渡す「少年保護事件手続」が進行します(手続の結果、少年審判が開始されない場合や、開始された場合においても、「不処分」が言い渡されることもあります)。
それでは、今後Aくんはどうなるのでしょうか。

(逮捕・勾留)
逮捕・勾留されうる、という点では、成人と同じです。
勾留されてしまうと、捜査段階において逮捕から最長23日間身体拘束を受けることになります。
身元引受人を用意するなどして、Aくんに勾留がつかないよう活動する必要があります。初めての事件で、身元引受がしっかりとしていれば、Aくんが勾留されずに釈放される可能性は十分にあるでしょう。

(家庭裁判所への送致)
身柄・在宅の別を問わず、ケースの事件は検察に送致されることになるでしょう。
送致を受けた検察官は、原則として事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。

(家裁への送致後)
家裁に送致された後は、Aくんについて観護措置をとるか否かが検討されます。
観護措置をとられてしまうと、少年鑑別所に入った上で調査を受けなければなりません。
在宅でも調査を遂げられる旨を主張し、観護措置による身柄拘束を回避する必要があります。

観護措置は、2週間を超えることができませんが、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができます。
さらに、「特別更新」の要件を満たしている場合は、さらに2回を限度として期間を更新することができます。

(少年審判)
Aくんに必要が認められれば、保護処分が言い渡されることになります。
保護処分には
①保護観察処分
②少年院送致
③児童自立支援施設又は児童養護施設送致
があります。

反対に、Aくんに保護処分を言い渡さなくても更正を期待できる場合には、①そもそも少年審判が開かれない、②少年審判で「不処分」が言い渡されることも考えられます。

Aくんが過去に事件を起こしておらず、Aくんの親にも十分な監護能力があると判断されれば、審判の不開始や、不処分の決定を得られる場合もあります。

弁護士と相談しながら、Aくんの将来にとって最も有利な事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が痴漢事件を起こし、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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