(事例紹介)女性に抱きついた少年を強制わいせつ罪の疑いで逮捕
(事例紹介)女性に抱きついた少年を強制わいせつ罪の疑いで逮捕
今回は、路上で背後から女性に抱きついて体を触ったとして、強制わいせつ罪の疑いで逮捕された少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
・参考事例
佐賀北署は12日、強制わいせつの疑いで、佐賀市在住の少年A(17)を逮捕しました。
逮捕容疑は5月5日、佐賀市内で歩道を歩いていた30代女性Vに背後から抱きつき、体を触った疑いです。
取調べに対し、Aは「間違いない」と容疑を認めています。
同署によると、生徒と女性に面識はなかったとのことでした。(以下略)
(※11/14に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「わいせつ容疑で佐賀県立高校の男子生徒逮捕 佐賀北署 路上で歩行者に抱きつく」記事の一部を変更して引用しています。)
・少年が強制わいせつ事件を起こすとどうなる?
今回逮捕されたAは17歳であるため、少年法が適用されます。
刑法において、「少年」とは20歳未満の者を指し、少年が刑事事件を起こした場合は「少年事件」として扱われます。
Aが起こした事件は、背後から女性に抱きついて体を触ったという内容であり、この行為に強制わいせつ罪の疑いが持たれています。
強制わいせつ罪については、令和5年7月に施行された改正刑法で名称が「不同意わいせつ罪」に変更されており、適用される範囲や法定刑などが変わりました。
ただ、今回の事件が起きたのは改正刑法が施行される前の出来事だったため、不同意わいせつ罪ではなく強制わいせつ罪が適用されているということになります。
少年事件と成人が起こす刑事事件(以下「成人事件」と言います。)では異なる点がいくつかあり、大きな違いの一つとしては、成人は懲役刑や罰金刑などの処罰が与えられることに対し、少年事件は「保護処分」として処罰ではなく少年の性格の矯正や環境を調整して健全な育成を行うことを目的としていることが挙げられます。
つまり、今回のAのような少年が強制わいせつ事件を起こした場合、強制わいせつ罪に規定されている法定刑で処罰されるのではなく、少年の性格や環境を調査して、今後同じような非行をしないための健全な育成を目的とした保護処分が下される可能性があるということになります。
・逮捕されたAの今後の流れは?
逮捕されたAは、まず警察や検察などの捜査機関から取調べを受け、検察官が引き続き身柄を拘束するべきかどうかを判断します。
身柄を拘束する必要がなければ釈放されますが、必要があると判断されれば、勾留や勾留に代わる観護措置がとられて逮捕に引き続き身柄を拘束される可能性があります。
その後、事件が家庭裁判所に送致され、家庭裁判所がAの精神状態や性格、交友関係や家庭環境などを調査し、審判(=成人事件における裁判)を開く必要があると判断されれば、審判が開かれます。
審判が開かれて、Aに対して保護処分を与える必要があると判断されれば、保護観察や少年院送致といった保護処分が与えられます。
勾留や勾留に代わる観護措置がとられたり審判が開かれてしまうと、学校に行けなくなったり学校に事件のことが発覚して退学になってしまうおそれがあります。
このような事態を防ぐためには、弁護士から具体的なアドバイスを受けることが重要になります。
また、少年事件は成人事件とは異なる手続きがとられるため、弁護士の中でも少年事件に強く経験豊富な弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が事件を起こしてしまったという方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご相談ください。