接見交通について

1 はじめに

接見交通権とは、身体を拘束されている被疑者(容疑者)・被告人と面会し、または書類若しくは物の授受をする権利をいいます。

身柄を拘束され、外部との交流を遮断された被疑者(容疑者)・被告人にとって、弁護人との接見(面会)は、自身の防御の準備のために必要不可欠であり特に重要なものです。

接見交通権は,大きく分けて,弁護人以外の者との接見交通と弁護人との接見交通との二つに分けることができます。
 

2 弁護人以外の者との接見交通について

弁護人以外の家族であっても被疑者(容疑者)・被告人と接見(面会)することも可能です。
ただし,警察官等の立ち合いの下、事件に関する事項を話すことは禁止されるなど、制限された状況での接見(面会)が許されるにすぎません。

また,事件の内容によっては接見禁止が付される場合もあります。

接見禁止とは,身柄拘束されている被疑者(容疑者)・被告人と接見することが一切できなくなり、または時間や方法等が大幅に制限されることをいいます。
接見禁止がされると、生活必需品などを除き,外部からの物の授受も禁止されることになります。

被疑者(容疑者)・被告人が少年の場合には,保護者との接見(面会)について,接見禁止から除外されることが多いですが,その場合でも警察官の立ち合いにより,事件の内容については聞けないなどの制限があります。

このように,弁護人以外の者との接見交通については,制限が多く,仮に接見禁止が付された場合には,被疑者は外部との一切遮断された状況で過ごすこととなってしまいます。
 

3 弁護人との接見交通について

これに対して,弁護人との接見交通の場合,上記のような接見禁止が付されることはなく,被疑者(容疑者)・被告人と接見する際も警察官の立ち合いなく,自由に接見(面会)することができます。

そして,少年事件・少年犯罪では,少年がまだ成長・発達の過程にあり,大人と比べて,経験や知識など様々な面で未成熟であることから,弁護士が少年と接見(面会)し事件の内容について詳しく聞き取るなどして今後の具体的なアドバイスを受けるか否かは,今後の処分等に大きく影響することとなります。

したがって,少年事件・少年犯罪において,弁護士が少年と接見することは非常に大きな意味を持ちます。

 

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