少年の無免許運転事件
今回は、少年が自動車を無免許で運転してしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
福岡市中央区に住むAくんは、16歳の高校生です。
不良仲間のA2くんらを誘い、自家用車を運転していたところ、福岡県中央警察署の警察官の検問により止められ、無免許運転が発覚してしまいました。
Aくんらは任意で取調べを受けた後、親が身元引受人となって帰宅することができましたが、Aくんの親は今後どうなってしまうのか不安に感じています。
どうすればよいのでしょうか。
(フィクションです)
~まずは弁護士に相談~
まずは、少年事件の得意な弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談することにより、今後の手続について理解することができ、さらに、弁護活動を依頼すれば、Aくんになされる処分を軽くすることを目指して活動してもらえます。
~少年事件の手続~
Aくんの行った行為は、「無免許運転」という犯罪行為です。
※道路交通法第117条の2の2第1号(抜粋)
第百十七条の二の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 法令の規定による運転の免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第八十八条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者
無免許運転を行うと、成人であれば、上記の通り、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
もっとも、よく知られている通り、Aくんは少年ですから、少年法の適用があり、上記の様な懲役刑を受けたり、あるいは罰金刑を受けることはありません。
その代わり、少年保護事件として手続が進行し、家庭裁判所による審判が開かれれば、Aくんの事情に応じた保護処分を言い渡されることになります。
(警察、検察段階での手続)
ケースの直後はこの段階に当たるでしょう。
このまま在宅で事件が進行すれば、警察の呼び出しに応じて出頭し、取調べを受けます。
検察でも同様です。
(家庭裁判所への送致)
少年事件では、事件が原則として家庭裁判所に送致されることになります。
成人における「起訴猶予処分(有罪を立証する用意があるが、検察官の裁量で被疑者を裁判にかけない処分)」のように、捜査機関限りで事件が終了することはありません。
(家庭裁判所への送致後)
家庭裁判所に送致された後は、「観護措置」をとるかどうかを決定します。
身柄を拘束されている少年は24時間以内に判断されます。
観護措置がとられると、少年鑑別所に収容され調査を受けることになります。
観護措置をとらない場合であっても、Aくんの家庭環境や、心身の状態、犯罪傾向などが調査されます。
~ケースの場合に予想される処分~
審判開始決定がなされた場合は、在宅でAくんの改善更正を図る「保護観察処分」か、保護処分などを行わない「不処分」を言い渡される可能性が高いでしょう。
保護観察処分は在宅で行われますが、保護観察所の指導監督・補導援護を受けなければならないので、少なからずAくんにも負担がかかります。
不処分を獲得できれば、上記の様な負担がかかりません。
関係者によるAくんへの働きかけ(説諭、訓戒)や、Aくんの交際関係などを見直したことが家庭裁判所に評価され、保護処分の必要がないと認められれば、不処分となる可能性が十分あります。
まずは、少年事件を得意とする弁護士のアドバイスを聞き、Aくんの将来に及ぼす悪影響が最も少ない、有利な事件解決を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が無免許運転事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。