少年の特殊詐欺事件で逮捕

2019-10-02

少年の特殊詐欺事件で逮捕

事例:主犯であるBは,Vの息子になりすまして,Vに用意しておいた口座に現金を振り込ませようとした。
Bは,少年A(18歳)に対し,自らが現金を引き出せない場合は代わりに引き出してほしい旨を告げ,少年Aはこれを了承した。
そして,少年AはBの代わりに,神奈川県横浜市内でVが振込んだ現金を引き出した。
神奈川県戸塚警察署の警察官は,詐欺事件に関与したとして少年Aを逮捕した。
Aの家族は,少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実を基にしたフィクションです。)。

~特殊詐欺における出し子と少年~

近年,オレオレ詐欺などを含めたいわゆる特殊詐欺が社会問題となっていますが,こういった特殊詐欺に少年が関与することも珍しくありません。
首謀者が架け子(電話を掛けて被害者を騙す役)というリスクの比較的低い行為を担当し,出し子(騙し取ったキャッシュカードでお金を引き出す役)や受け子(騙された被害者からキャッシュカードやお金を受け取る役)というリスクの高い行為を未成年等の少年に任せるという構図がしばしばみられます。
まず,出し子として本件のような特殊詐欺に関与した者の行為に,どのような犯罪が成立しうるか確認しておきましょう。

刑法246条1項は,「人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する」として,財物を詐取する詐欺罪を規定しています。
本件では,少年A自身は「人を欺」く行為をしておらず(そのような行為をしているのはあくまで架け子のBです。),同条に当たらないことから,詐欺罪の成立は認められないようにも思えます。
ですが,刑法は60条において,「2人以上共同して犯罪を実行した者は,すべて正犯とする」との規定を置いており,犯行において担当していない行為(上記事例であれば架け子のBによる「欺く行為」)についても責任を負うことになる可能性があります。
このように、複数名が互いの行為を利用し合って一つの犯罪を行うことを、共同正犯と言います。
もし刑法60条により共同正犯が成立するとされると,教唆犯や幇助犯といったいわゆる従犯と異なり,第1次的な刑事責任を負うことになります。
教唆犯は他人に犯罪をそそのかすもの、幇助犯は他人の犯罪を手助けするものであり、いずれも他人のために犯罪に関与するに過ぎません。
これに対して、共同正犯は、いわば他人と協力して自己(および他人)のために犯罪を行うものです。
こうした違いから、共同正犯の方が責任が重いとされているのです。

~幇助にとどまるとの主張~

実務においては,共犯事件として処理される事件は,ほとんどが教唆犯や幇助犯ではなく共同正犯として扱われています。
検察官や裁判官からすれば、報酬の約束や役割の重大性などから正犯としての刑事責任を負わせるのが相当のように思われる事案が多いからでしょう。
もっとも,少年の行為が幇助にとどまるとの主張が全く受け容れられないかといえば,そうではありません。
したがって,弁護士としては,Aの関与はあくまで幇助にとどまるとして,刑事責任がさほど重くないことを積極的に主張していくことも考えられるでしょう。
こうした主張を行うにあたっては,少年事件刑事事件に関する専門的な知識が不可欠なことから、迅速に法律の専門家である弁護士に知見を求めることが肝要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,少年事件刑事事件専門の法律事務所です。
少年事件については,通常の刑事事件と異なる点も多く,少年事件を多く取り扱った経験を持つ弁護士に相談することが重要です。
少年は可塑性(更生の可能性)に富むことからも,少年鑑別所等への収容など重い責任を負わせることはできるだけ避けるべきです。
特殊詐欺事件逮捕されてしまった少年のご家族は,24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)まで,まずはお電話ください。
特に少年事件では,逮捕されてしまった本人(少年)もご家族も不安が大きいでしょうから,弁護士による早期の接見(面会)をおすすめいたします。

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