少年が監禁の疑いで逮捕・少年事件に起訴猶予はある?

2021-07-22

少年が監禁の疑いで逮捕されてしまった事件を題材に、少年事件に起訴猶予があるかなど少年事件の手続等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例:少年A(18歳)は、ネット上で知り合ったV女(14歳)を、宿泊施設に連れ込み監禁した。
少年Aは監禁の疑いで逮捕された。
少年Aの家族は、少年事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。

~監禁罪(と未成年者拐取罪)~

刑法220条は、「不法に人を……監禁した者」は監禁罪に当たるというシンプルな規定を置いています。
上記条文は、単に「人」とのみ規定していますが、ここにいう「人」とは移動しようと思えば移動できる自由を有する人をいうと解されています。
したがって、乳幼児等は「人」には当たりませんが、例えば仮に本件のVが宿泊施設から脱出できない状態であることを認識していない場合でも上記自由を有する者である以上は、本条の保護する「人」に当たることになります。
次に「監禁」とは、ある範囲から脱出することを不可能または著しく困難にすることをいい、本件でも宿泊施設から脱出が不可能(または著しく困難)であれば、「監禁」に当たることになります。
また、監禁罪の成立には、その手段として暴行・脅迫などが用いられる必要はありません。
もっとも、監禁の手段として暴行・脅迫が用いられなかったとしても、監禁行為それ自体から被害者に「死傷」結果が生じた場合には、監禁致死傷罪(221条)が成立することになります。

なお「不法に」とは、被害者の同意など違法性阻却事由がないことをいうため、本件のように被害者が未成年者の場合には同意があったかどうかを含め、慎重な検討を要します。
以上に加え、上記監禁行為の前提として欺もうや誘惑を手段として「略取」した場合や、暴行・脅迫によって「誘拐」した場合には、未成年者略取罪や未成年者誘拐罪(224条)が成立しうることにも注意が必要です。

~少年事件における全件家裁送致主義~

本件で、少年Aは未成年のV女を監禁した疑いで逮捕されてしまっています。
少年事件と成人事件で手続上大きく異なる点として注意を要するのが、少年事件においては成人事件のような不起訴(起訴猶予)制度が存在しないことです。
少年法は原則として、捜査機関は捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければならない(少年法41条、42条)としています。
したがって、逮捕・勾留されてしまった少年は、その後、原則として家庭裁判所へ送致されることになります(在宅の場合も同様です)。
この「全件送致主義」により、少年事件では成人事件のように裁判所が事件を受理する前に不起訴(起訴猶予)等にすることは認められません。
これは少年事件においては、刑事訴訟法が定める通常の刑事手続と異なり、少年の健全な育成という保護主義的な観点を有することから、軽微な非行でも捜査機関レベルでの判断に任せず、(家庭)裁判所レベルにおける専門的な見地から判断するべきものとされていることによります。
したがって弁護士としては、逮捕段階から(あるいは在宅事件においても)家庭裁判所送致後を見据えたうえで、少年の利益を最大化する弁護活動を行う必要があるのです。
よって、少年が逮捕されたとの報せを受けたご家族等は、弁護士による早期の接見(面会)を要請し、事件の全体像をいち早く把握することに努めることが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、監禁事件などの少年事件を含む少年事件・刑事事件を専門としている法律事務所です。
弊所では、少年事件に関する専門性を有する弁護士がご相談をお待ちしております。
お子様が監禁事件で逮捕されたご家族等は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにご連絡ください。

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