名誉棄損罪・侮辱罪

名誉棄損罪の法定刑は,3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金です(刑法230条)。

侮辱罪の法定刑は,拘留又は科料です(刑法231条)。
 

名誉棄損・侮辱罪の解説

1 名誉棄損罪の解説

「人の名誉を棄損」とは,人の社会的評価を低下させるおそれのある状態を発生させることをいいます。

また,名誉棄損罪が成立するためには,「公然と事実を適示」したことが必要となりますから,不特定又は多数人が認識できる状態(公然性)のもと,人の社会的評価を低下させるに足りる具体的な事実(「浮気をしている」など)を表示しなければなりません。
 

2 侮辱罪の解説

単に相手方をさげすむような評価をした場合(「こいつはバカである」など)には,法定刑の軽い侮辱罪で処罰される可能性があります。
 

少年による名誉棄損・侮辱事件の対応方法

1 無罪を主張する場合

身に覚えがないにも関わらず,名誉棄損,侮辱の容疑を掛けられてしまった場合,弁護士を通じて,警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して,審判不開始又は不処分を獲得する余地があります。
アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出することで,名誉棄損,侮辱を立証する十分な証拠がないことなどを主張していきます。

名誉棄損,侮辱で警察に検挙・逮捕された少年の方は,本人の性格,不安や諦めの気持ち,友人・知人を庇うなど様々な原因から自分の主張を貫くことが困難になります。
弁護士が,少年本人と接見(面会)して言い分を丁寧に聞き取ってあげることで,名誉棄損・侮辱の詳細を把握し,少年本人の主張が通るように警察・検察などの捜査機関や家庭裁判所に働きかけていきます。

また,弁護士との接見(面会)によって少年を安心させ,支えてあげることで,少年の虚偽の自白を防いで真の更生につなげることが可能になります

 

2 罪を認める場合

⑴ 謝罪・示談をする
被害者感情が重要視される昨今,少年による名誉棄損・侮辱事件においても,被害者の方と示談することは,重要な弁護活動です。
警察に被害届が提出される前であれば,被害届の提出を阻止し,警察の介入を阻止して事件化を防ぐことができます。

警察に被害届が提出されてしまった後であっても,少年による名誉棄損・侮辱事件においては,示談をすることによって,審判不開始や不処分,保護観察処分を獲得する可能性を高めることができます。

少年による名誉棄損・侮辱事件では,被害弁償や示談の有無及び被害者の処罰感情が少年の処分に大きく影響することになるので,弁護士を介して迅速で納得のいく示談をすることが重要です。
また,示談をすることで少年が釈放される可能性もありますので,示談によって少年の早期の学校復帰・社会復帰を目指すことができます。

  
⑵ 環境を整える
暴走族や地元の不良仲間との交遊関係が非行の背景にある場合は,交遊関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要となります。
生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠となることから,ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらうことになります。
 

3 身柄拘束からの早期解放活動

少年が名誉棄損・侮辱事件で逮捕されても,適切な取り調べ対応と弁護活動によって留置場や鑑別所に入れられずに済む可能性があります。

名誉棄損・侮辱事件で逮捕された少年が早く留置場から出て鑑別所に行かずに済むためには,逮捕の後に勾留されないこと又は家庭裁判所による観護措置を回避することが大切です。

少年の勾留や観護措置を避けるためには,逮捕後の早い段階で,弁護士と面会して取り調べ対応を協議し,身元引受人の協力を得ることが大切です。
その上で,弁護士から検察官や裁判官に対して,少年の反省と二度と名誉棄損・侮辱事件を起こさない旨を主張し,釈放してもらうよう働きかけます。
 

少年・少女によるインターネット上での誹謗中傷などの書き込み行為について

最近,インターネットやSNS上で相手を脅すまたは誹謗中傷するような書き込みをした少年が,警察から脅迫事件・名誉棄損事件の容疑で逮捕・取調べを受ける事案が増えています。

子供による書き込みが脅迫罪・名誉棄損罪などの少年事件・少年犯罪にあたるかどうかは,書き込みの有無,場所,時期,方法,被害者との関係などによって判断が異なりますので,まずは相談ください。

 

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