強姦,強制わいせつ

強姦罪の法定刑は,3年以上の懲役です(刑法第177条)。
なお,強姦致死傷罪の法定刑は,無期又は5年以上の懲役です(刑法第181条2項)。

強制わいせつ罪の法定刑は,6月以上10年以下の懲役です(刑法第176条)。
なお,強制わいせつ致死傷罪の法定刑は,無期又は3年以上の懲役です(刑法第181条1項)。
 

強姦,強制わいせつ事件の解説

1 はじめに

強姦罪及び強制わいせつ罪は,その相手方を13歳未満の者と13歳以上の者とを区別して規定しています。
13歳以上の者に対する強姦罪及び強制わいせつ罪の場合には,暴行・脅迫を用いる必要があるのに対し,13歳未満の者に対する強姦罪及び強制わいせつ罪の場合には,暴行・脅迫を用いる必要はありません。
  
また,13歳未満の者に対する強姦罪及び強制わいせつ罪の場合には,13歳未満であることの認識が必要とされていることから,13歳以上だと思って,暴行・脅迫を用いないで,姦淫又わいせつ行為に及んだとしても強姦罪,強制わいせつ罪は成立しません。
 

2 強姦罪の解説

13歳以上の者に対する強姦罪における暴行・脅迫の程度としては,被害者の犯行を著しく困難にする程度のもので足り,反抗を抑圧する程度に達する必要はありません。
 

3 強制わいせつ罪の解説

13歳以上の者に対する強制わいせつ罪における暴行・脅迫の程度としては,被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足りる程度の暴行・脅迫であれば足り,強姦罪のように反抗を著しく困難にする程度に達する必要はありません。
 

少年による強姦,強制わいせつ事件の対応

1 無罪を主張する場合

身に覚えがないにも関わらず,強姦,強制わいせつの容疑を掛けられてしまった場合や相手方の同意があった場合には,弁護士を通じて,警察や検察などの捜査機関及び裁判所に対して,審判不開始又は不処分を獲得する余地があります。

アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出することで,強姦,強制わいせつを立証する十分な証拠がないことなどを主張していきます。

強姦,強制わいせつで警察に検挙・逮捕された少年の方は,本人の性格,不安や諦めの気持ち,友人・知人を庇うなど様々な原因から自分の主張を貫くことが困難になります。
弁護士が,少年本人と接見(面会)して言い分を丁寧に聞き取ってあげることで,強姦,強制わいせつの詳細を把握し,少年本人の主張が通るように警察・検察などの捜査機関や家庭裁判所に働きかけていきます。

また,弁護士との接見(面会)によって少年を安心させ,支えてあげることで,少年の虚偽の自白を防いで真の更生につなげることが可能になります。
 

2 罪を認める場合

⑴ 謝罪,示談をする
被害者感情が重要視される昨今,少年による強姦,強制わいせつ事件においても,被害者の方と示談することは,重要な弁護活動です。
警察に被害届が提出される前であれば,被害届の提出を阻止し,警察の介入を阻止して事件化を防ぐことができます。

警察に被害届が提出されてしまった後であっても,少年による強姦,強制わいせつ事件においては,示談をすることによって,審判不開始や不処分,保護観察処分を獲得する可能性を高めることができます。

少年による強姦,強制わいせつ事件では,被害弁償や示談の有無及び被害者の処罰感情が少年の処分に大きく影響することになるので,弁護士を介して迅速で納得のいく示談をすることが重要です。
また,示談をすることで子供が釈放される可能性もありますので,示談によって子供の早期の学校復帰・社会復帰を目指すことができます。

  
⑵ 環境を整える
少年が強姦,強制わいせつ事件をはじめとする性犯罪に手を染めてしまった背景としては,少年の性に対する誤った認識が考えられます。
そして,このような場合,保護者の指導だけで改善することは困難であることから,第三者である弁護士を少年につけて,第三者の視点から指導・教育させることが有効と思われます。
   
また,交遊関係が非行の背景にある場合は,交遊関係の見直しを含めた生活環境の改善が必要となります。
生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠となることから,ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらうことになります。
 

3 身柄拘束からの早期解放活動

少年が強姦,強制わいせつ事件で逮捕されても,適切な取り調べ対応と弁護活動によって留置場や鑑別所に入れられずに済む可能性があります。

強姦,強制わいせつ事件で逮捕された少年が早く留置場から出て鑑別所に行かずに済むためには,逮捕の後に勾留されないこと又は家庭裁判所による観護措置を回避することが大切です。

少年の勾留や観護措置を避けるためには,逮捕後の早い段階で,弁護士と面会して取り調べ対応を協議し,身元引受人の協力を得ることが大切です。
その上で,弁護士から検察官や裁判官に対して,少年の反省と二度と強姦,強制わいせつ事件を起こさない旨を主張し,釈放してもらうよう働きかけます。

 

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