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(事例紹介)少年事件で下される「保護観察」処分とは?
今回は、沖縄県で起きた少年事件で少年らに保護観察処分が下された事例をもとに、少年事件で下される「保護観察」処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
・参考事例
那覇市内にある公園で9月、外国人女性がショルダーバッグをひったくられた事件で、那覇家庭裁判所は12日までに、窃盗の非行内容で家裁送致されていた17歳の男子高校生3人の少年審判を開き、それぞれ保護観察処分とすることを決めました。(以下略)
(※12/13に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「外国人女性からショルダーバッグをひったくる 高校生3人を保護観察処分に 那覇家裁」記事の一部を変更して引用しています。)
・「保護観察」処分とは
保護観察処分とは、事件を起こした少年に対して家庭裁判所が下す保護処分の一つです。
そもそも、20歳未満の少年が刑事事件を起こした場合は少年法が適用され、原則全ての事件が家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致された後は、家庭裁判所による少年の調査が行われ、必要に応じて審判が開かれ、最終的に少年に対する保護処分が下されます。
保護処分とは、懲役刑や罰金刑といった刑事処分とは異なり、少年を更生させることを目的とした処分です。
刑事処分ではないため、保護処分を受けたことは前科にはなりません。
保護処分には、保護観察の他に、児童自立支援施設・児童養護施設送致、少年院送致などの種類がありますが、今回は保護観察について解説していきます。
保護観察は、児童自立支援施設・児童養護施設送致や少年院送致のような施設への入所が必要な保護処分とは異なり、社会の中で生活しながら更生を目指す保護処分です。
保護観察処分が下された後は、保護観察期間中に守らないといけないルール(遵守事項)が決められ、これに違反しないように生活をしていく必要があります。
また、保護観察期間中は、保護観察官や保護司と定期的に面談や連絡を行い、生活状況などのチェックを受けることになります。
遵守事項を守って生活をしていれば特に問題ありませんが、保護観察期間中に遵守事項を破ったり問題を起こしてしまったりすると、必要に応じて少年院へ収容される可能性もあります。
・子どもが事件を起こしてしまったら弁護士へ
今回は、保護観察処分について解説してきました。
保護観察は施設に入所せずに社会生活の中で更生を目指す保護処分なので、児童自立支援施設・児童養護施設送致や少年院送致に比べると比較的負担は少ないです。
お子様が事件を起こしてしまってどうすればいいか分からないと不安になっている方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
ただ、少年事件は成人の刑事事件とは流れや手続き、弁護士の活動内容が異なるため、弁護士の中でも少年事件を担当した経験が豊富な弁護士に相談することが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中なので、お気軽にお問い合わせください。
(事例紹介)万引きによる窃盗罪で逮捕された少年
(事例紹介)万引きによる窃盗罪で逮捕された少年
万引き事件で問題となる罪と児童自立支援施設への送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
・参考事例
26日夜、札幌市南区のコンビニエンスストアで、17歳の男子高校生が、アイスを万引きした疑いで逮捕されました。
窃盗の疑いで逮捕されたのは、札幌市中央区に住む17歳の男子高校生です。
男子高校生は26日午後11時半過ぎ、札幌市南区藤野のコンビニエンスストアで、アイス1点(194円)を万引きした疑いがもたれています。
警察によりますと、男子高校生がアイスをポケットに入れて、店を出ようとする様子をコンビニの店長が目撃し声をかけたところ、逃げようとしたため、店員ら複数人でとりおさえ、店長が「アイスを万引きされた」と警察に通報、駆け付けた警察官に引き渡されました。
調べに対し、男子高校生は「欲しかった」と話し、容疑を認めているということです。
また、男子高校生は所持金を持っていて、店には複数の友人と訪れていました。
警察は、友人たちの関与があるかどうかも含め、調べをすすめています。
(HBCニュース北海道 令和5年2月27日(月) 8時24分配信 「「欲しかった」コンビニでアイスをポケットに…店長が目撃、17歳男子高校生を逮捕 店には複数の友人も 札幌市南区」より引用)
・万引きについて
参考事例では、少年が万引きの嫌疑で逮捕されています。
万引きは窃盗罪に該当します。
窃盗罪の条文は以下のとおりです。
刑法第235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
・少年事件で児童自立支援施設送致に
仮に本件が成人による犯行(あるいは事件時は少年だったが少年審判等の前に成人の誕生日を迎えていた)という場合、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」の範囲で刑事処罰が科せられます。
しかし、事例のように少年(20歳未満)が事件を起こした場合、少年法に則り手続きが進められます。
少年事件では、家庭裁判所が保護処分を課すことが原則で、保護処分には保護観察処分・児童自立支援施設送致・少年院送致などがあります。
今回は、児童自立支援施設送致という保護処分について解説します。
児童自立支援施設送致とは、少年院への送致が相当ではないが、保護者による監督が十分に行えないため保護観察も適切でない場合に決定されやすい保護処分です。
「児童自立支援施設」とは不良行為をした児童、あるいは将来的に不良行為をするおそれがあると判断された児童、家庭環境などから生活指導を必要とする児童を入所させ必要な指導を行うほか、退所した児童への相談、指導を目的とした児童福祉施設です。
根拠条文は児童福祉法に定められています。(同法44条ほか)
対象となる児童は18歳未満とされており、18歳以上はこの処分の対象外となります。
少年審判を受けた少年に対し、家庭裁判所の裁判官が「少年の置かれた環境を考えた時に保護観察処分では更生が難しい」等と判断された場合、児童自立支援施設送致が考えられます。
児童自立支援施設に入所・通所するメリットは少なくありませんが、現在の環境とは異なる環境での生活になるため、児童にとって心理的負担が増える可能性もあります。
児童自立支援施設のような施設送致を回避するためには、現在の環境で少年が保護者の監督に附すること、保護者の監督体制に問題がないこと、等を主張していく必要があります。
そのためには、少年事件の経験が豊富な弁護士に、弁護活動・付添人活動を依頼することが必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱っております。
当事務所では、初回無料の法律相談、弁護士が逮捕及び勾留された少年のもとに直接伺う初回接見サービス(有料)などを実施しています。
お子さんが万引き事件で逮捕された、児童自立支援施設送致されるのではないかと不安、という方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお気軽にお問い合わせください。