名古屋市の少年事件 家庭裁判所調査官と協議する弁護士 

2015-09-08

名古屋市の少年事件 家庭裁判所調査官と協議する弁護士 

軽トラックを盗んで乗り回したとして愛知県警北警察署は窃盗の疑いで県立高校1年の少年を逮捕しました。
A君は「間違いありません」と容疑を認めているそうです。
同署は自動車運転処罰法違反(無免許運転)の疑いで捜査するとともに、盗んだ目的などを調べています。

(平成27年9月4日産経新聞の記事をもとに事例を作成しました。ただし、警察署名・地名は変えてあります。)

~家庭裁判所送致後におこなわれる調査とは~

家庭裁判所に送致された少年事件では、少年について事件の調査が行われます。
この調査には裁判官がおこなう法的調査と、家庭裁判所調査官がおこなう社会調査があります。
法的調査と社会調査は、審判が開かれる前におこなわれます。
これを調査前置主義と呼ばれます。

法的調査とは審判条件や非行事実の有無などを調査するもので、法律的な側面から裁判官が記録を読んでおこないます。
一方、社会調査とは少年に対してどのような処遇が最も有効適切であるかを明らかにするための調査をいいます。

少年審判の目的は「少年の健全育成」であるため,少年が非行に陥った原因を探求してそれを解消,除去するための方策を検討する必要があります。
少年法は、社会調査において,医学,心理学,社会学,教育学等の専門的知識を活用すべきものと定めています。
そこで,専門家の知見を用いるべく,家庭裁判所には医学的診断を行う医務室や家庭裁判所調査官が設けられているのです。
家庭裁判所の調査官は、心理学、教育学、社会学などの専門知識と法律知識を生かして調査を行います。

社会調査で調査をする内容は、非行の動機、少年の性格、行動傾向、交友関係、家庭環境、学校・職業関係など多岐にわたります。
この調査を通して、少年や少年を取り巻く環境の問題点を探り出し、なぜ少年が非行を行ったのかを明らかにして、少年が再び非行を行わないようにするにはどうすればよいか検討されるのです。
社会調査は、主に家庭裁判所調査官が行いますが、少年の心身の状況と行動観察などは少年鑑別所が調査します。

家庭裁判所調査官の社会調査、鑑別所の心身鑑別調査、医学的調査などの全ての調査が終了すると、家庭裁判所調査官は調査結果をまとめて少年調査票をつくり、意見をつけて裁判官に提出します。
少年調査票と意見の提出をうけた裁判官は、ほかの資料と併せて検討し、審判が開始されることになります。

裁判官は家庭裁判所調査官の処遇意見を重視するため、家庭裁判所調査官の意見は、少年審判に大きな影響を与えます。
そこで、少年の弁護士は必要に応じて家庭裁判所調査官と面会するなどして、少年と少年を取り巻く環境の問題点や処遇意見について協議します。
また少年の弁護士が考える問題点や処遇方針を家庭裁判所調査官に伝えて、調査官の処遇意見に少年の弁護士の意見が反映されるように活動していきます。

大切なお子さんが窃盗事件で少年審判を控えている場合は、あいち刑事事件総合法律事務所にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
大切なお子さまが逮捕・勾留されている場合には、弁護士を警察署に派遣できる初回接見サービスをおこなっています(愛知県警北警察署の場合、初回接見費用:3万6000円)。

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