強制わいせつと観護措置
強制わいせつと観護措置について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
性的好奇心が旺盛な仙台市内の中学校に通うA君は、ある日、同じマンションに住むⅤちゃん(7歳、小学1年生)に対して「触らせて」と声をかけ、Ⅴちゃんが「いいよ」と言ったことから、Ⅴちゃんの陰部などを触り、最後にはⅤちゃんの顔面に射精するなどのわいせつな行為を行いました。その後、Ⅴちゃんの異変に気付いたⅤちゃんの母親が警察に通報、相談したところ、周囲の防犯ビデオカメラなどからA君の犯行であることが判明。A君は強制わいせつ罪の被疑者として逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
~少年事件の流れ~
警察に逮捕されると、少年であっても警察の留置場(留置施設)に収容されます。
逮捕後の流れは、
①逮捕
↓
②警察官による弁解録取→釈放
↓
③送致(送検)
↓
④検察官による弁解録取→釈放
↓
⑤検察官による「勾留請求」OR「勾留に代わる観護措置請求」
↓
⑥勾留質問→釈放
↓
⑦裁判官による「勾留決定」OR「勾留に代わる観護措置決定」
↓
⑧勾留→釈放
↓
⑨捜査
↓
⑩家庭裁判所送致
という手続を踏みます。
なお、この間、警察、検察、裁判官の判断で釈放されることもあります(②、④、⑥)。
また、裁判官の勾留決定(⑦)があった後も、弁護人による不服申し立てが認められることで釈放されることもあります(⑧)。
他方で、不服申し立てが認められなかった場合やそもそも不服申し立てをしない場合は、逮捕された際に収容された留置場へ収容されるでしょう。
また、勾留に代わる観護措置決定があった場合は指定された少年鑑別所へ収容されます。
勾留の期間は、検察官の勾留請求があった日から「10日間」で、その後、やむを得ない事由がある場合は最大「10日間」延長されることがあります。
観護措置の期間も請求の日から「10日間」ですが、延長は認められていません。
拘束された少年は上記の期間内に警察や検察の捜査を受け、事件を家庭裁判所へ送致される手続を取られます。
事件と身柄を家庭裁判所へ送致されると、裁判官が観護措置決定を出すかどうかを判断します。
観護措置決定とは少年鑑別所へ収容する旨の決定のことです。をいいます。
つまり、それまで警察署の留置場に収容されていた少年は観護措置決定により少年鑑別所へ身柄を移送され、少年鑑別所に収容されていた少年は引き続き少年鑑別所に収容されます。
収容期間は観護措置決定のときから「2週間」ですが、2週間更新することができるとされており、多くの事件では更新されていますから、通常、拘束期間は観護措置決定の日から「4週間」となります(例外あり)。
少年鑑別所は刑務所等とは異なり、少年の資質を調査・分析し、少年の改善更生のための適切な処遇方針が検討されることから、少年の更生を考えるうえで、プラスに働く部分もあります。
しかし、「観護措置」がとられてしまうと、前述のとおり、少年は長期間にわたって少年鑑別所に収容されてしまいます。
鑑別所に収容されている間は、学校・会社を休まざるをえなくなりますので、退学や解雇になってしまう恐れなどがあり、少年の被る不利益は多大となってしまいます
そのため、弁護士は、観護措置の要件・必要性がないことや観護措置を回避すべき事情があることについて述べた意見書を家庭裁判所に提出し、観護措置回避に向けた弁護活動に努めていくことが考えられます。
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