(事例紹介)住宅などで空き巣を繰り返した少年含む5人を逮捕

2023-10-25

(事例紹介)住宅などで空き巣を繰り返した少年含む5人を逮捕

今回は、近所の住宅や会計事務所に侵入して盗みを繰り返した疑いで少年を含む5人が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

長野県の中信地域で空き巣など60件以上の盗みを繰り返した疑いで、少年を含む男5人が逮捕されました。盗みなどの疑いで逮捕されたのは、大町市や安曇野市などに住む18歳から22歳までの男5人です。

警察の調べによりますと、5人は、2023年5月13日から6月19日にかけて、松本市や安曇野市の住宅や会社事務所に侵入して、盗みを繰り返すなどした疑いが持たれています。

被害は合わせて68件で、現金のほか、金庫やレジも盗まれるなど総額はおよそ711万円相当にのぼるということです。

5人は友人関係で、遊ぶ金と生活費ほしさに犯行に及んだと供述しているということです。
(※10/24に『Yahoo! JAPANニュース』で配信された「「遊ぶ金欲しさ」で重ねた盗み60件以上 現金やレジ、金庫も 少年含む5人を逮捕」記事を引用しています。)

・問われる可能性がある罪

今回の事例で逮捕された少年らは、住宅などに侵入して現金などを盗むといった、いわゆる「空き巣」を行っています。
空き巣によって問われる可能性がある罪は、住居侵入罪窃盗罪が考えられます。

ここからは、住居侵入罪と窃盗罪について、それぞれ詳しく解説していきます。

・住居侵入罪とは

住居侵入罪については、刑法第130条で以下のように規定されています。

  • 刑法第130条(住居侵入等)
    正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

条文で規定されているように、住居侵入罪は、正当な理由がない状態他人の住居や建造物に侵入する行為を処罰するものです。(建造物に侵入した場合は建造物侵入罪となります。)
成立要件は、主に①正当な理由がなく、②人の住居に侵入することです。

「侵入」とは、住居権者の意志に反してその場所に立ち入ることを指します。
今回の事例のような空き巣は、正当な理由がなく人の住居に侵入する典型的なパターンになるので、住居侵入罪が成立する可能性が高いです。

・窃盗罪とは

窃盗罪については、刑法第235条で以下のように規定されています。

  • 刑法第235条(窃盗)
    他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は、他人の財物を窃取する行為を処罰するものです。
窃盗罪の成立要件は、「他人の財物を窃取」することです。

「窃取」とは、他人が事実上支配している(占有している)財物を、その人の意志に反して自分自身の支配下に移す行為を指します。
この定義から、窃盗罪が成立するためには、単に物を持ち去るだけでなく、その行為が他人の意志に反して行われたものである必要があります。

今回の事例で考えると、少年らが盗んだ現金などは、それらを占有している人の意思に反して盗んでいるため、住居侵入罪だけでなく窃盗罪も成立する可能性が高いということになります。

・空き巣による少年事件を起こしてしまったら

20歳未満の少年が刑事事件を起こすと、少年事件として扱われ、成人の刑事事件と手続きが異なる点があります。

▼少年事件の流れについてはこちらで詳しく解説しています。
少年事件・少年犯罪の流れ

少年事件は、成人と同じ罪を犯しても刑事事件の流れなどが異なるため、なるべく早く弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が空き巣で逮捕されてしまったという方は、最短当日に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供していますので、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご連絡ください。

 

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