ひったくりと家庭裁判所送致後の流れ

2020-04-17

ひったくりと家庭裁判所送致後の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

福岡県春日市に住むAさんは、他人からお金を奪い取ろうと思い、人通りのない場所を自転車で帰宅中の女性Vさんに原付バイクで背後から接近しました。そして、Aさんは、Vさんが前かごに入れていたバッグに手をかけそれを抜き取りひったくろうとしましたが、Vさんがこれに反応し奪われまいとしてバックを離さなかったため、左足でVさんを蹴りVさんがバックから手を離した隙にバッグを奪い取ってその場から逃走しました。その後、A君は福岡県春日警察署強盗罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ひったくりは窃盗罪?強盗罪?~

ひったくりは、物を持ち歩いている歩行者や、前カゴに荷物を入れている自転車に近づき、すれ違ったり追い抜いたりする瞬間にその物を奪って(ひったくって)逃げる行為をいいます。
ひったくりは主に窃盗罪(刑法235条)あるいは強盗罪(刑法236条)に当たる可能性があります。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

窃盗罪は、他人の占有する財物(本件の場合Vさんのバック)を、不法領得の意思(権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法にしたがってこれを利用し処分する意思)をもって、窃取した場合に成立します。
「窃取」とは、暴行・脅迫によることなく、占有者(Vさん)の意思に反してその占有を排除し、目的物(バック)を自己(Aさん)又は第三者の占有に移すことをいうとされています。
したがって、ひったくりは窃盗罪に当たる可能性があるといえます。

他方、強盗罪は、暴行・脅迫を財物奪取の直接的な手段として用いて他人の財物を強取した場合に成立する罪です。
つまり、財物奪取の手段としてこの暴行・脅迫を用いるか否かが窃盗罪とを区別するポイントとなります。
そして、強盗罪の暴行・脅迫は、相手方の反抗を抑圧するに足りる強度はものである必要があるとされています。
この点、まずAさんがVさんを左足で蹴る行為が「暴行」に当たると考えられます。そして、当該行為はVさんの自転車運転中になされたことなどを考えると、Vさんの反抗を抑圧するに足りる暴行に当たる可能性も十分にあります。また、当該行為を含めた一連の過程(バッグを引っ張るなど)が暴行に当たるとされる可能性もあります。

~家庭裁判所送致から少年審判まで~

家庭裁判所送致から少年審判までの流れは以下のとおりです。

①家庭裁判所送致&観護措置決定

②少年鑑別所における鑑別、家庭裁判所調査官による調査等

③少年審判

①の観護措置決定とは、通常、少年鑑別所へ収容する旨の決定のことをいいます。つまり、それまで警察署の留置場に収容されていた少年は、観護措置決定により少年鑑別所へ身柄を移送されます。
他方、勾留に代わる観護措置決定により少年鑑別所に収容されていた少年に対しては、家庭裁判所送致されると観護措置決定が出たものとみなされます(これを「みなし観護措置」といいます)。この場合、少年の収容場所は従前の少年鑑別所のままです。
収容期間は観護措置決定のときから「2週間」ですが、2週間更新することができるとされており、多くの事件では更新されていますから、通常、拘束期間は観護措置決定の日から「4週間」となります(例外あり)。ただし、不服申し立てによってはやめに釈放されることもあります。

この拘束期間中に、②少年鑑別所において専門技官による鑑別(専門的調査)を受けたり、家庭裁判所調査官による面談を受けるなどします。なお、面談を受けるのは少年に限らず、保護者などの少年の関係者など広く含まれます。
こうした調査の結果、家庭裁判所が少年審判を開くかどうか決定します。家庭裁判所が少年審判を開く必要がないと判断したときは、審判不開始決定を出します。
少年審判が開かれた場合、少年審判では非行事実が認められるかどうか、認められるとして少年にどんな処分を下すことが適当か判断されます。
この処分のことを保護処分といいます。
保護処分には少年院送致、保護観察などがあります。

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