振り込め詐欺で接見禁止
振り込め詐欺で接見禁止
~ケース~
18歳大学1年生のA君は友人ら数人に誘われて、振り込め詐欺等の特殊詐欺を行っている組織で,高齢者宅に電話をかける役割の掛け子をしていた。
ある日,受け子であるBがVさんから現金を受取る際に不審に思ったVの通報により、現場に張り込んでいた埼玉県朝霞警察署の警察官によって逮捕されてしまった。
Bの供述からA君らは詐欺罪の共同正犯の疑いで逮捕された。
心配になった両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に依頼した。
(フィクションです)
~共同正犯~
振り込め詐欺等の場合,電話をかける役目である「掛け子」や実際に現金を受け取る役目である「受け子」等に分かれている場合が多いです。
刑法第60条では「二人以上共同して犯罪を実行した者は,すべて正犯とする。」と規定されています。
振り込め詐欺等を組織的に行った場合,実行者全員が詐欺罪の共同正犯となる可能性が高いです。
~接見~
身柄拘束を受けている被疑者・被告人と外部の方が面会することを「接見」といいます。
逮捕後から勾留までの72時間の間は、弁護士以外の人が接見を行うことはできません。
ご家族の方などによる接見は、検察官による勾留請求がなされた後でないと認められません。
また,接見等禁止処分(以下、「接見禁止」と書きます。)が付されてしまった場合は、弁護士以外の接見が認められません。
接見禁止は、逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合に、検察官の請求により裁判官によって付されます。
容疑を否認している場合や共犯者がいる組織的な犯罪の場合には、口裏合わせや証拠隠滅をするおそれがあるとして接見禁止とされる可能性が高くなります。
住所不定の場合や重大な犯罪を犯した場合などは、逃亡のおそれがあるとして接見禁止が付される場合があります。
今回のケースは、組織的な振込め詐欺事件であるため、接見禁止が付される可能性が高いと考えられます。
~接見禁止の一部解除~
接見禁止は逃亡や証拠隠滅の防止として付されるものであり,ご家族はその事件に関与していないことが多いため、ご家族に限って接見を一部解除してもらえることがあります。
弁護士は、ご家族との接見禁止を解除しても証拠隠滅のおそれがないという事情を聞き取って作成した上申書とともに接見禁止の一部解除申立を行います。
接見禁止の一部解除申立が認められれば,ご家族の方が接見することが可能になります。
~弁護活動~
今回のケースで,A君は18歳ですので少年事件として手続が進められることになります。
少年事件の場合,通常の刑事事件とは異なり、検察官は事件を家庭裁判所に送致します。
家庭裁判所調査官による調査を経て,家庭裁判所で少年審判が開かれて少年に対する処分が決定されます。
多くの場合は保護観察処分となりますが,場合によっては少年院送致となる場合もあります。
一方,家庭裁判所が少年事件であっても刑事処罰を受けさせることが相当であると判断した場合には、事件が検察官に送致され(逆送といいます),通常の刑事事件と同様の手続きとなります。
今回のケースのような組織的な振込め詐欺事件の場合,事件が検察官に逆送される可能性があります。
また,A君は18歳の大学1年生であり,年齢的にも刑事処罰を受けさせることが相当であると判断される可能性があります。
詐欺罪は10年以下の懲役刑しか規定されていませんので、逆送された場合には公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。
組織的な振込め詐欺事件の場合,少年で初犯であっても,被害額などによっては実刑となってしまう可能性もあります。
しかし,被害者の方へ騙し取ったお金を返す等の示談をすることによって執行猶予付きの判決となる可能性もあります。
まずは少年事件・刑事事件の経験の豊富な弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
お子様が振込め詐欺などをしてしまった場合,接見禁止が付けられてしまった場合などは、0120-631-881までご相談ください。
警察署での初回接見・事務所での無料法律相談のご予約を24時間受け付けています。
(埼玉県朝霞警察署での初回接見費用:36,500円)