(事例解説①)大学生と高校生の交際は犯罪になる?
(事例解説①)大学生と高校生の交際は犯罪になる?
「高校生との交際は犯罪だ」
このような認識をお持ちの方は多いと思いますが,具体的にはどのような点が犯罪となりうるのでしょうか。
大学生と高校生が交際していた事例を基に,刑事事件・少年事件に強い,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
・参考事例
Aさん(19歳・大学生)は,北区に両親と同居していました。
Aさんには後輩を介してBさん(15歳・高校生)と知り合い,その日のうちに付き合うことになり,北区内のカラオケ店内で,AさんとBさんは性行為をしました。
2人はその後も特にトラブルになることなく,男女交際を開始しました。
ある日,Bさんの両親がBさんのスマートフォン画面の通知を見てAさんのことを知り,Bさんは両親に「Aさんと男女の関係にある」ということを話しました。
これを聞いてBさんの両親は激怒し「大学生にもなって高校生と付き合っているのは犯罪だ」とAさんに告げ,AさんはBさんと連絡が取れなくなってしまいました。
不安に思ったAさんは,両親と一緒に弁護士に相談することにしました。
・未成年との交際は犯罪?
冒頭の通り,「未成年との交際は犯罪」という認識から,事例のBさんの両親のように,子息の交際相手に「犯罪だ」と告げる方もいらっしゃいます。
事例のような,高校生との交際や性的関係は犯罪になるのでしょうか。
考えられるのは次の二つになります。
・不同意性交等罪
・青少年健全育成条例違反
ここからは、それぞれの犯罪について見ていきましょう。
・不同意性交等罪とは
まず,不同意性交等罪についてですが,仮に心の底から性行為に同意していたとしても,その同意に意味がない場合があります。
それは,性行為の相手(男女問わず)が16歳未満だった場合です。
2023年7月の刑法の大改正により,性行為の同意年齢が男女とも16歳まで引き上げられました。
これは,16歳未満の人は性行為に同意する能力がない≒同意することの意味を十分に理解できていない,と見なされているからです。
この「性行為の同意年齢は16歳未満」という基準は画一的なものであり,個別の事情というのは考慮されません。
例えば,「自分以外の成人とも性的関係を持っているから」とか,「性知識が十分にあるから」と言っても,たとえ16歳未満であれば,性行為の同意はできないものとみなされています。
唯一の例外が「相手との年齢差」です。
非常にややこしいのですが,「13歳以上16歳未満の未成年」と「性行為の相手になった人」が5歳差未満だった場合には,同意に基づく性行為であれば不同意性交等には当たらないというものです。
この規定は,「13歳以上16歳未満の未成年」と「21歳未満」の人の性行為のみに適用される可能性があります。
Aさんの事例のように「15歳」と「19歳」の間でした性行為であれば,真に同意に基づくものであれば,不同意性交等に該当しない可能性があります。
・事務所紹介
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
未成年との性行為でご家族が警察に逮捕されてしまった方や,ご自身の事としてご不安なことがある方やご心配なことがある方は,弊所までご連絡ください。
逮捕され身柄が拘束されている場合には,最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
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