【解決事例】摂食障害の影響で万引き事件を起こした事例で審判不開始に

2022-07-27

【解決事例】摂食障害の影響で万引き事件を起こした事例で審判不開始に

~事例~

神戸市東灘区に住んでいる10代のAさんは、専門学生として学校に通いながら、アルバイトにも励む日々を送っていました。
しかし、そのうちAさんは摂食障害を患うようになり、いわゆる過食嘔吐をするようになってしまいました。
Aさんは、神戸市東灘区にあるコンビニで食料品を万引きしてしまい、兵庫県東灘警察署窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさんの将来を考え、Aさんの力になれないかと思い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスを利用。
弁護士から接見の報告を受けた後、弁護士に弁護活動を依頼することに決めました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんは、前述のように摂食障害を患っており、長期の身体拘束を受けることで症状が悪化してしまうおそれがありました。
加えて、Aさんの逮捕が専門学校に知られることで、Aさんが退学などの処分を受けてしまう可能性もあったため、今後のAさんのことを考えると、Aさんのご両親としてはすぐにでも釈放してもらいたいというご要望でした。
Aさんの両親がAさんの逮捕から間もない段階で弁護士に依頼したこともあり、弁護士は勾留決定前に検察官や裁判官にAさんの釈放を求める交渉を行うことができました。
弁護士は、依頼を受けてすぐにAさんの体調などの事情を検察官と裁判官に上申し、Aさんの釈放を求めました。
その結果、Aさんは勾留されずに釈放されることとなりました。

釈放を求める活動と並行して、弁護士は、Aさんやその両親の意向を受け、万引きの被害を受けたコンビニへの被害弁償をするために、コンビニとの交渉を行いました。
実は、Aさんは逮捕された万引き事件を起こしたコンビニ以外のコンビニでも食料品を万引きしたことが明らかになっていたため、弁護士は本件以外の余罪の万引き事件についても、被害弁償のための交渉にあたりました。
最終的に、複数のコンビニに被害弁償を受け入れていただくことができました。

そして、AさんとAさんの両親は、Aさんが釈放されてすぐに、摂食障害を治療するための病院探しを開始しました。
いくつか病院を回った上で、Aさんらは、摂食障害を治療するための専門的な治療を行っている病院を見つけ、そこで継続的な治療を行うことを決めました。
Aさんは、しばらく学校を休学して治療に専念するとともに、自分のしてしまったことに向き合い反省を深め、Aさんの両親はAさんの指導を行うと共にAさんの治療をサポートするための環境を整えました。

弁護士は、こうした被害弁償の結果やAさんの反省の深まり、Aさんの治療のための環境が整ってきていることなどを家庭裁判所に上申しました。
弁護士と裁判所の協議の結果、Aさんについては更生のための環境が整えられていると判断され、審判不開始という結果になりました。
Aさんは、調査等に時間を割くことなく事件を終了することができ、早期に治療などに専念することが可能となりました。

今回のケースのように、摂食障害などの影響から少年事件が起こってしまうというケースもあります。
こうした場合、どのように少年事件の原因となったものを解消していくのか、解消できる環境を作っていくのかといったことが適切な処分を目指すうえで重要です。
もちろん、少年事件を起こしてしまった本人やそのご家族の積極的な協力は重要ですが、どういった活動に取り組むべきなのか、何を見直すべきなのかは、当事者だけでは分からないということも多いでしょう。
だからこそ、少年事件を取り扱う専門家のサポートも大切なのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件についても数多く取り扱ってきた弁護士が、万引き事件などを含む少年事件のご相談をお受けしています。
子どもが万引き事件を起こしてしまった、少年事件の手続・対応に困っているといった場合には、ご遠慮なくお問い合わせください。

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