職務質問から公妨で逮捕
職務質問から公妨で逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
自転車を運転してたAさんは警察官であるVさんから声を掛けられて身分証の提示を求められたのにこれを無視して自転車を急発進させたため、警察官をその場に転倒させて怪我を負わせてしまました。その後、Aさんは公務執行妨害罪、傷害罪で逮捕されてしまいました。
(事実を基にしたフィクションです。)
~職務質問~
職務質問は、警察官が異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問する行為をいいます。
これは、警職法(警察官職務執行法)第2条1項の規定により行いうるものです。
職務質問を行うに際しては、刑事訴訟に関する規定によらずに身体を拘束したり、連行したり、答弁を強要したりして強制力を行使してはならないとされており、原則として任意で行われなければなりません。
他方で、全く強制力を用いてはならないとすると、犯罪予防という目的を十分に達成することができなくなってしまうことから、「必要かつ合理的な程度」の実力行使であれば職務質問の実効性確保のために許されると考えられています。
実際の裁判例で職務質問の適法性が争われた事案として、飲酒運転の疑いがあるにもかかわらず酒気検査を頑なに拒んで車を発進させようとした運転者に対して、警察官が車の窓から手を入れてエンジンキーを回してエンジンを切ったという事案において、適法な職務質問であると判断されました。
上の事案では、警察官であるVさんは、Aさんに対して車のドアを開けて身分証の提示を要求していたものであると考えられます。
この裁判例の判断に従うとすれば、このようなVさんの行為も「必要かつ合理的な程度」であるとして、適法な職務質問であると認められる可能性が高いと考えられます。
~公務執行妨害罪~
この職務質問の適法性は、公務執行妨害罪の成否との関係で問題になります。
なぜなら、公務執行妨害罪は公務員が職務を執行するにあたり、これに対して暴行又は脅迫を加えた場合に成立する犯罪ですが、ここでの「職務」については解釈上適法なものであることが要求されているからです。
上の事案では、Aさんは、適法な職務質問を行っている警察官という公務員であるVさんに対し、車のドアを閉めて急発進させてVさんを引きずるという「暴行」を加えています。
このような「暴行」を受けた場合には、警察官の職務執行が妨害されうると十分に考えられるため「妨害した」といえると考えられます。
(公務執行妨害罪における「妨害」に当たるためには職務を妨害するような暴行・脅迫がなされていれば足り、現実に公務の執行が妨害されたことまでは必要ではありません。)
そうすると、上の事案のAさんには公務執行妨害罪が成立する可能性が高いといえます。
公務執行妨害罪が成立した場合、3年以下の懲役若しくは禁錮、又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。
また、公務員に暴行を加えた結果けがをさせたという場合には、公務執行妨害罪とは別に傷害罪が成立することになります。
傷害罪が成立すると、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。どうぞ、お気軽にご相談ください。
職務質問から公妨で逮捕
職務質問から公妨で逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
自転車を運転してたAさんは警察官であるVさんから声を掛けられて身分証の提示を求められたのにこれを無視して自転車を急発進させたため、警察官をその場に転倒させて怪我を負わせてしまました。その後、Aさんは公務執行妨害罪、傷害罪で逮捕されてしまいました。
(事実を基にしたフィクションです。)
~職務質問~
職務質問は、警察官が異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問する行為をいいます。
これは、警職法(警察官職務執行法)第2条1項の規定により行いうるものです。
職務質問を行うに際しては、刑事訴訟に関する規定によらずに身体を拘束したり、連行したり、答弁を強要したりして強制力を行使してはならないとされており、原則として任意で行われなければなりません。
他方で、全く強制力を用いてはならないとすると、犯罪予防という目的を十分に達成することができなくなってしまうことから、「必要かつ合理的な程度」の実力行使であれば職務質問の実効性確保のために許されると考えられています。
実際の裁判例で職務質問の適法性が争われた事案として、飲酒運転の疑いがあるにもかかわらず酒気検査を頑なに拒んで車を発進させようとした運転者に対して、警察官が車の窓から手を入れてエンジンキーを回してエンジンを切ったという事案において、適法な職務質問であると判断されました。
~公務執行妨害罪~
この職務質問の適法性は、公務執行妨害罪の成否との関係で問題になります。
なぜなら、公務執行妨害罪は公務員が職務を執行するにあたり、これに対して暴行又は脅迫を加えた場合に成立する犯罪ですが、ここでの「職務」については解釈上適法なものであることが要求されているからです。
上の事案では、Aさんは、適法な職務質問を行っている警察官という公務員であるVさんに対して自転車を急発進させてVさんをその場に転倒させるという「暴行」を加えています。
このような「暴行」を受けた場合には、警察官の職務執行が妨害されうると十分に考えられるため「妨害した」といえると考えられます。
(公務執行妨害罪における「妨害」に当たるためには職務を妨害するような暴行・脅迫がなされていれば足り、現実に公務の執行が妨害されたことまでは必要ではありません。)
そうすると、上の事案のAさんには公務執行妨害罪が成立する可能性が高いといえます。
公務執行妨害罪が成立した場合、3年以下の懲役若しくは禁錮、又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。
また、公務員に暴行を加えた結果けがをさせたという場合には、公務執行妨害罪とは別に傷害罪が成立することになります。
傷害罪が成立すると、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。どうぞ、お気軽にご相談ください。