万引きと保護観察

2021-09-23

 

万引きと保護観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

高校生ののA君(16歳)は、コンビニで万引きをした件で、福岡県若松警察署に窃盗罪で逮捕されました。その後、A君は「勾留に代わる観護措置」の結果、少年鑑別所に収容されました。そして、収容から8日後、検察官による家庭裁判所送致によって事件は検察庁から家庭裁判所へ送致されました。そして、A君の身柄は引き続き少年鑑別所で収容されることになりました。一刻もはやい少年鑑別所からの釈放を望んでいるA君の両親は、少年事件に強い弁護士にA君との接見を依頼し、今後について相談することにしました。
(フィクションです)

~家庭裁判所までの流れ~

A君は、現在、「勾留に代わる観護措置決定」により少年鑑別所に収容されています。
これは、Aさんの万引き事件(刑事事件)が家庭裁判所に送致される前の少年に対する身柄措置の一種で、期間は、検察官が万引き事件の送致を受けた日から10日間と決まっています。
もちろん、この決定に対しては、準抗告申立てなどの不服申し立て手段を取ってAさんの釈放を求めていくことが可能です。
仮に、不服申し立てが認められず、万引き事件が家庭裁判所に送致された場合、Aさんは引き続き少年鑑別所に収容されたままになります。よって、A君の釈放を求める場合、Aさんの万引き事件が家庭裁判所に送致される前か同時期に、家庭裁判所に対して意見書等を提出するなどする必要があります。
家庭裁判所送致後の少年鑑別所における収容期間は、はじめ裁判所に万引き事件の送致があった日から2週間で、特に継続の必要があるときは1回に限り更新することができます(また、特別事由がある場合は、さらに2回の更新が認められています)。
仮に、意見書等を提出してもAさんが釈放されなかった場合は、さらに異議申立てにより釈放を求めていくことが可能です。

~保護観察を獲得するために~

事件が家庭裁判所に送致された後は、少年審判を開くかどうか、開くとしていかなる処分を下すのかが決められます。
処分には保護処分を下さない不処分、保護処分の中には少年院送致、保護観察などがあります。

「保護観察」は、少年を家庭や職場に置いたまま、保護観察所の行う指導監督と補導援護によって、少年の改善更生を図る社会内処遇です。
保護観察の期間は、対象者が20歳に達するまでとされますが、保護観察が決定した時から20歳になるまで2年に満たない場合には、期間は2年となります。
保護観察期間中であっても、対象者の状態に応じて、解除や一時解除が認められます。

このように、審判において保護観察処分が言い渡されると、少年は家庭や職場に身を置いたまま、定期的に保護観察官や保護司と連絡をとり、現状について報告を行った上で、指導・助言を受けることになります。
施設に収容されることなく社会内で生活を送ることができるため、社会と切り離されることがありません。

家庭裁判所が保護観察を終局決定とするには、裁判官が少年の更生には社会内処遇で足りると判断することが必要です。
逆に言えば、もし、裁判官が当該少年がきちんと更生するには矯正施設に入れる必要があると判断したのであれば、保護観察ではなく少年院や児童自立支援施設等への送致を選ぶ可能性があるのです。

万引きで保護観察を獲得するにはまずは、被害者に対して、被害弁償を行う必要があります。
成人の刑事事件のように、被害者への被害弁償や示談成立の有無が、処分に直接大きく影響するものではありませんが、被害者対応を通じて、少年の内省を深めることができたと評価される要素となります。

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