(事例紹介)夏休み中の闇バイト 受け子で逮捕

2022-08-04

(事例紹介)夏休み中の闇バイト 受け子で逮捕

~事例~

東京・武蔵野市の70代の男性からキャッシュカードをだまし取ろうとしたとして、17歳の少年が逮捕されました。
少年は「夏休みに、学費を稼ぐため」と話しているということです。
高校3年生の17歳の少年は仲間と共謀し、8月2日午後5時すぎ、武蔵野市に住む70代の男性からキャッシュカードをだましとろうとした疑いが持たれています。

警視庁によりますと、当日の午後3時すぎ、男性に武蔵野署員を名乗る男から「女2人を逮捕したところ、あなたの名義のキャッシュカードを持っていた。確認しに署員が行きます」と電話があったということです。
(中略)
 少年は取り調べに対し、「闇バイト・高額収入とツイッターで検索した。夏休みに暇で、専門学校の学費を稼ぐためだった。成功報酬は1割と聞いていた」などと容疑を認めているということです。
(※2022年8月4日18:32YAHOO!JAPAN配信記事より引用)

~「闇バイト」と少年事件~

今回取り上げた事例では、17歳の少年が、特殊詐欺事件のいわゆる「受け子」という役割をして逮捕されてしまったという内容が報道されています。
特殊詐欺は組織的に行われることが多く、その場合には組織のメンバーそれぞれに役割が与えられていることが多いです。
例えば、今回の事例で少年が請け負った、特殊詐欺の被害者からキャッシュカードや金品を受け取るという役割は「受け子」と呼ばれます。

この「受け子」は、被害者と直接接触することもあり、特殊詐欺の役割の中では検挙されやすい位置にいます。
検挙されやすい役割であるということからか、この「受け子」の役割は、特殊詐欺を行う組織の末端であったり、SNSなどを通じて雇ったアルバイトであったりと、特殊詐欺を行う組織の中心から離れた人が請け負うことが多いとされています。
今回の事例も、報道によれば、逮捕された少年は「闇バイト」などとSNSで検索してこの「受け子」の仕事にたどり着いたとされていますが、「闇バイト」「裏バイト」「高額収入」などと称したアルバイトを装い学生などを特殊詐欺の一端を担わせるケースは多くみられるところです。
特に、今は夏休みの時期であり、未成年の学生が比較的時間を自由に使えることなどから、こうした「闇バイト」によって少年事件を起こしてしまうことが心配されます。

少年事件では、犯罪の重さだけでなく、その少年自身の資質や少年の周囲の環境などから、どの程度の保護処分が必要かといったことを考慮されて処分が決定します。
例えば、「闇バイト」が犯罪であることをわかっていながら何件も大量に行っていたという場合であれば、犯罪であると分かっていながらあえて繰り返し「闇バイト」をしたことを問題視され、根本的な環境の改善を行うために少年院などの施設送致といった処分が取られることも考えられます。

闇バイト」などの摘発・防止には、捜査機関も積極的に取り組んでおり、SNSなどで「闇バイト」と検索すると、捜査機関やSNSなどの媒体自体がが注意を促す投稿が表示されることもあります。
そういった注意をきちんと把握して「闇バイト」などに関わらないということが一番ですが、もしもお子さんが「闇バイト」に関わり逮捕されてしまったら、すぐに弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、「闇バイト」などから詐欺事件などに関わってしまったという事例についてのご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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