少年審判に向けた手続き

2019-04-30

少年審判に向けた手続き

~ケース~

A君は15歳の中学3年生です。
家庭環境は悪くありませんでしたが、中学生になってから不登校、深夜徘徊などの素行不良が目立っています。
深夜徘徊中、東京都八王子市内のコンビニで店員にナイフを示し、「金を出せ」と要求しましたが、通報されてしまい、お金を奪わずに逃走しました。
4時間後、付近を警戒していた警視庁高尾警察署の警察官に職務質問をされ、強盗未遂罪の疑いで緊急逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~少年事件ではどのような手続きが行われるか?~

Aさんは、少年(20歳未満の男女をいいます)ですから、少年事件として手続が進行します。
少年法は「少年の健全育成」を目指す保護主義を掲げており、成人の刑事事件の手続とは大きく異なる点が存在します。

(逮捕後の勾留)
捜査段階では、少年事件においても刑事訴訟法の適用がありますから、逮捕後さらに身体拘束を行う必要があると判断された場合には、「勾留」されることになります。
通常の刑事事件においては、
①罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、
②(ⅰ)住所不定、(ⅱ)逃亡のおそれ、(ⅲ)罪証隠滅のおそれのうちいずれか一つの理由があり、
勾留の必要性が認められる場合に勾留の要件を満たします。
少年事件においては、少年を勾留することによる悪影響が考慮されており、上記の要件に加えて「やむを得ない場合」に勾留をすることができるとされています。
勾留される期間は最長10日間、勾留延長されればさらに最長10日間となります。

(勾留に代わる観護措置)
少年を身体拘束する場合における処遇上の配慮として、「勾留に代わる観護措置」の制度が挙げられます。
鑑別所で身体拘束を受けることになりますが、留置場における拘束よりも一般的に環境が良好とされています。
身体拘束を受ける期間は10日間で、延長はできません。

(全件送致主義)
通常の刑事事件において、検察官は、捜査を遂げた事件につき、被疑者を起訴するか、不起訴にするかを決めなければなりません。
この場合、有罪の立証ができると考えている場合であっても、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、裁判にかけない「起訴猶予処分」を行うことができます。
これに対し、少年事件では「全件送致主義」が採用されており、捜査機関は、犯罪の嫌疑があると判断したときは、全ての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。

~家庭裁判所へ送致されたあと~

家庭裁判所へ送致された後は、事件について調査がなされます。
調査は、非行事実の存否、要保護性(少年の犯罪的危険性、矯正可能性、保護相当性)について行われます。
この結果は、後に行われる審判の結果にも影響します。

(観護措置)
少年の心情の安定・情操の保護を図りながら鑑別を行う制度です。
在宅で観護を行う「調査官観護(在宅観護、1号観護などとも呼称)」と、少年鑑別所に収容して観護を行う「収容観護」があります。
前者の調査官観護はほとんど活用されておらず、実務上「観護措置」というときは、後者の収容観護を指します。
収容観護の期間は2週間を超えることができず、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができます。
さらに、一定の事件については、「特別更新」が認められ、さらに2回を限度として更新することができます。
特別更新がなされた場合には、最長8週間観護措置をとることができます。

(審判)
審判開始決定が出されると、家庭裁判所による審判が行われます。
少年の非行事実、要保護性について審理され、最後に①不処分、②保護処分(少年院送致、保護観察処分、児童自立支援施設または児童養護施設送致)、③都道府県知事または児童相談所長送致、④検察官送致、⑤試験観察処分のいずれかの処分がなされます。

少年院送致の処分がなされると、少年院に収容され、矯正教育を受けることになります。
できるだけ少年にとって負担の少ない処分により、社会復帰を目指すことが理想的です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門とする法律事務所であり、少年事件に関しましても解決実績が豊富です。
お子様が強盗未遂事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご依頼ください。
(相談は0120-631-881まで。警視庁高尾警察署までの初回接見費用:35,800円)

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