少年法の目的 

2020-05-02

少年法の目的について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

大阪府泉大津市の学校に通うAさん(17歳)は傷害罪泉大津警察署での取調べを受け、その後事件は検察庁を経て家庭裁判所へ送致されました。Aさんは家庭裁判所で少年審判を受け、保護観察の保護処分を受けました。
(フィクションです。)

~傷害罪とは~

まず、傷害罪についてご説明します。
傷害罪は刑法の204条に規定されています。

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

「人の身体を傷害」するに至る過程としては、としか書かれていませんが、その意味は

①暴行の故意+暴行行為→傷害
②傷害の故意+傷害行為→傷害

という2つのパターンがあります。つまり、

①は「相手に怪我させるつもりではなかったけど、結果として怪我させてしまった」というパターン
②は「(はじめから)相手に怪我させるつもりで、その予想通り怪我(傷害)を負わせた」というパターン

です。なお、②について、「相手に怪我をさせるつもりだったが、運よく怪我(傷害)を負わせなかった」という場合は傷害罪ではなく暴行罪(刑法208条)が成立します。暴行罪の規定も確認しておきましょう。

刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

「暴行」は、殴る、蹴る、突く、押す、投げ飛ばすなど直接身体に触れる行為が典型ですが、相手に向かって物を投げつける、衣服を引っ張るなど直接身体に触れない行為も含まれます。傷害の故意がある暴行が傷害行為と考えてください。
そして、①、②と「傷害」との間に「因果関係」が認められることによって傷害罪が成立します。

~少年法の目的~

少年法の目的は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講じることとされています(少年法1条)。

=非行のある少年=
少年法が「犯罪を犯した少年」ではなく「非行を犯した少年」と規定しているのは、少年法が対象としているのは「少年が罪を犯した少年」(少年法3条1項1号)のみならず、14歳未満の刑罰法規に触れる行為をした少年(同項2号、触法少年)、少年の性格又は環境の照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法規に触れる行為をする虞のある少年(同項3号、虞犯少年)も対象としているからです。触法少年は刑事責任能力がありませんから刑事上の責任は問われません(刑法41条)。また、虞犯少年は犯罪(非行)を犯したわけではありません。しかし、少年の健全な育成という少年法の下では、これらの者も少年法の対象となるのです。

=保護処分=
保護処分は少年の健全な育成、更生を図るための措置で、「保護観察」「児童自立支援施設又は児童養護施設への送致」「少年院送致」の3種類があります(少年法24条1項)。触法少年、虞犯少年であっても少年院へ収容されるおそれはあります(ただし、処分決定時に、14歳に満たない少年にかかる事件については、特に必要と認める場合に限り少年院送致とすることができるとされています)。家庭裁判所は少年審判を開いた上で、保護処分の決定を出します。なお、この保護処分のほか、審判すら開かれない「審判不開始決定」、審判を開いた上で保護処分を下さない「不処分決定」というのもあります。

=少年の刑事事件について特別の措置=
少年の刑事事件についての特別の措置の中で代表的なものは、逆送決定です。これは保護処分とは異なり、少年に、成人と同様の刑罰を課すための手続(決定)です。ですから、少年法では、少年が重大犯罪を犯した場合など逆送決定を出せる場合を限定して規定しています。
傷害罪では傷害致死罪(205条)が適用されると逆送決定を受ける可能性が高くなります。

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