少年の傷害事件

2020-03-23

今回は、少年の傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

千葉県千葉市に住むAくんは、3年生の中学生です。
高校受験のストレスから、同級生のVと口論になり、その際にVの顔面を殴打したところ、Vの鼻に鼻骨骨折の傷害を負わせてしまいました。
Aくんは裕福な家庭に育っており、また、親もAくんの監護に熱心で、必ずしも家庭環境が悪いというわけではありません。
Vの親は、VがAくんから殴られたことを知ると激怒し、警察に被害届を提出しました。
Aくんは千葉北警察署から任意で呼び出しを受けています。
これからどうなってしまうのでしょうか。(フィクションです)

~傷害罪について解説~

文字通り人の身体を傷害する犯罪です。
人を殴り、怪我を負わせる行為などが傷害罪の典型例といえます。
AくんはVの顔面を殴打し、鼻骨骨折の傷害を負わせているので、Aくんの行為が傷害罪を構成することに問題はないでしょう。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

しかし、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」は「刑罰」なので、原則としてAくんが今回のケースで言い渡されることはありません。
なぜなら、Aくんは「少年」であり、「少年法」が適用されるからです。

Aくんは、成人の刑事事件における手続ではなく、少年保護事件の手続に対応しなければなりません。

~少年保護事件について解説~

少年保護事件においては、必要に応じて、Aくんに「保護処分」が言い渡されることになります。
「保護処分」には、①少年院送致、②保護観察処分、③児童自立支援施設又は児童養護施設送致があります。
保護観察処分は、在宅でAくんの改善更正を図る処分です。
身体拘束を伴う少年院送致と比べると、Aくんの負担は軽くすみます。
今回のケースでは、保護観察処分の獲得が主な目標になるでしょう。

(警察への任意出頭)
Aくんは警察に任意で呼び出されています。
もちろん、出頭後は取調べを受けることになります。
不利な供述をしてしまわないよう、出頭前に弁護士と相談することを強くおすすめします。

逮捕されてしまう可能性を下げる弁護活動も必要です。
特に、Aくんは高校受験目前という、大切な時期にあります。
逮捕されてしまい、いつも通りに勉強ができないと、希望した進路を実現できなくなるおそれがあります。
Aくんの親が責任をもってAくんを監督する旨を記載した上申書を作成し、捜査機関に提出することによって、逮捕されてしまうリスクを下げることができます。
Aくんの家庭環境は良好と思われるので、逮捕可能性を下げる効果が期待できます。

(検察への送致、家庭裁判所への送致)
このまま在宅で事件が進行し、警察での捜査が一段落すると、今度は事件が検察へ送致されます。
その後、家庭裁判所に送致されることになります。

~少年審判について~

家庭裁判所送致された後は、観護措置をとるか否かが決められます。
観護措置がとられると、鑑別所に収容された上で調査を受けることになります。
家裁送致前は在宅で手続きが進行していたが、送致後に観護措置がとられ、鑑別所に収容されてしまうケースはありえます。
観護措置をとらないよう、家裁に働きかける必要があります。

また、少年審判が開始されれば、上記の調査で得られた結果などをもとに、Aくんに対する処分が決められます。
少年審判が開始される前から、Aくんに対する監護態勢の見直し、学校生活の見直し、被害者に対する被害弁償を進めていかなければなりません。
弁護士のアドバイスを受けながら、より有利な処分の獲得を目指して活動していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が傷害事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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