少年の覚せい剤使用事件

2020-02-17

今回は、高校2年生のAくんが、覚せい剤使用の疑いで逮捕されてしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

東京都武蔵野市に住む高校2年生のAくん(17歳)は、友人と一緒に繁華街で覚せい剤を使用し遊んでいたところ、パトロールをしていた警視庁武蔵野警察署の警察官から職務質問を受けました。
Aくんらの呂律や挙動が異常であることから、警察官らは薬物の使用を疑いました。
Aくんに袖を捲ってもらい、腕を見ると、多数の注射痕がありました。
警察官は、Aくんに尿を提出するよう求めました。
Aくんらは警察署に同行し、しぶしぶ尿を提出しました。
尿を検査したところ、覚せい剤の使用を示す反応が検出されたので、Aくんらは、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。(フィクションです)

~少年事件の弁護活動~

Aくんらが覚せい剤を、法定の除外事由がないのに使用したのであれば、覚せい剤取締法違反(使用)の罪が成立します。
覚せい剤使用の罪は、10年以下の懲役刑が予定されており、かなり重い部類の犯罪といえます。
ただし、御承知の通り、Aくんらは未成年であり、少年法上の「少年」ですから、原則としてAくんらが懲役刑を受けることはありません。
その代わり、家庭裁判所審判を通じ、その必要に応じて保護処分を行う「少年保護事件」として手続が進行することになります。

「保護処分」には、「少年院送致」、「保護観察処分」、「児童自立支援施設又は児童養護施設送致」があります。
覚せい剤使用の疑いで少年審判が開かれた場合、家庭裁判所の裁判官らは、少年が再び覚せい剤に手を出すことを危惧しています。
したがって、少年院送致が言い渡される可能性の高い事件ということができます。
保護観察処分を獲得できれば、在宅で改善更正を図ることになるので、特別の場合を除いて外出することのできない「少年院送致」よりは軽い負担で済むことになります。
なるべく少年院送致は回避したいところです。
どうすればよいのでしょうか。

~今後の手続について解説~

(捜査段階)
少年保護事件においても、捜査段階においては刑事訴訟法の適用があるので、最長23日間逮捕・勾留されうるという点においては、成人と同じです。

ただし、成人の刑事手続においては、検察官の裁量により起訴猶予処分(被疑者の有罪を立証できる証拠を検察が有している場合であっても、裁判にかけない処分)がなされる可能性があるのに対し、少年保護事件においては、原則として、全ての事件が家庭裁判所送致されます。
これを全件送致主義といいます。

(家庭裁判所への送致後)
勾留されたまま家庭裁判所に送致されると、到着のときから24時間以内にAくんについて「観護措置」をとるかどうかが決定されます。
観護措置がとられると「少年鑑別所」に送致され、Aくんの心身の状況などが調査されます。

観護措置がとられると、基本的に4週間近くという長期間、身体拘束を受けることになるので、このような事態はできれば回避したいところです。
観護措置決定に対しては、異議申し立てをすることも可能です。
身体拘束が長引かないように手を尽くすことも、弁護士の重要な任務といえます。

(少年審判)
前述の通り、審判を通じ、Aくんにおける必要に応じて、保護処分が言い渡されることになります。
「不処分」という処分もあり、この場合は何事もなく事件が終了するのですが、覚せい剤使用事件少年審判においては、あまり期待できないでしょう。

少年の薬物使用事件においては、弁護士のアドバイスを受けながら、なるべく早期に身柄解放を実現し、薬物依存の治療プログラムを受けさせ、一緒に覚せい剤を使用している悪い人間関係を断ち切ることが重要です。
また、家庭での監護態勢についても調整する必要があります。
上記の様な環境調整を行い、裁判官に、Aくんが再び薬物に手を出すおそれのないことを納得させることができれば、少年院送致を回避できる可能性が高まります。

早期に弁護士を依頼することにより、適切な弁護活動を通じ、より有利で、Aくんの将来に悪影響を及ぼさない事件解決を図ることができます。
まずは、弁護士に相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
お子様が覚せい剤使用事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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