少年事件・少年犯罪の流れ

1 発見・逮捕

窃盗事件の逮捕・勾留捜査が開始されるきっかけは様々ですが,関係者からの通報,被害届,職務質問,補導,自首,告訴・告発などがあります。

少年事件・少年犯罪であっても,捜査段階では基本的に成人の場合と同様,刑事訴訟法が適用されることから,少年であっても成人と同じく被疑者として逮捕・勾留されます。

逮捕されると最大で48時間,警察署の留置施設などで身体拘束がなされます。
その間に,警察から検察官に事件の記録が送られます。
  

2 検察官送致

検察官は,警察から検察官に事件の記録が送られた後,勾留するのか,勾留に代わる観護措置をとるのか,勾留せず家庭裁判所に送致するのかを決めます。

少年事件の場合,家庭裁判所に送致されてからは,原則として検察官が関わることはありませんが,故意による犯罪で被害者が死亡した場合や,強盗・強姦・放火などの重大犯罪で少年が非行事実を認めていない場合には,検察官が審判に参加することがあります。
  

3 勾留,勾留に代わる観護措置

⑴ 勾留

罪を犯したことが疑われ,かつ,証拠隠滅や逃亡のおそれがあるなどの理由から捜査を進める上で身柄拘束が必要な場合に行われます。
10~20日間身柄が拘束される可能性があります。
   

⑵ 勾留に代わる観護措置

被疑者が少年の場合には,勾留に代わる観護措置という手続きをとることができます。

この場合,少年は,勾留場所として予定されている刑事施設又は代替収容施設としての留置施設ではなく,少年の身体の取り扱いに精通した専門機関としての鑑別所に収容されることとなり,期間は請求日から10日間で,延長することは認められていません。
  

4 家庭裁判所送致

少年事件・少年犯罪については,成人の刑事事件と異なり,捜査機関が捜査を遂げた結果,犯罪の嫌疑があると判断したときは,すべての事件を家庭裁判所に送致することとされており(少年法第41条, 42条),このことを全件送致主義といいます。
  

5 観護措置

家庭裁判所が調査・審判を行うために,少年の心情の安定を図りながら,少年の身体を保護してその安全を図る必要がある場合には,観護措置がなされます。

観護措置には,在宅で家庭裁判所調査官の観護に付する場合と,少年鑑別所に送致する場合がありますが,多くの場合後者の方法で行われます。
期間は通常4週間(少年法第17条3項,4項本文)として運用されており,最長で8週間(少年法第17条4項ただし書き,9項)とされています。
  

6 調査

家庭裁判所では,審判に付すべき少年について事件の調査が行われますが,この調査には法的調査と社会調査があります。

法的調査とは審判条件や非行事実の存否に関する調査をいい,社会調査とは少年に対してどのような処遇が最も有効適切であるかを明らかにするための調査をいいます。
このうち社会調査は,裁判官の調査命令を受けた調査官によって,少年,保護者,学校の先生に対する面接を通して実施されます。
 

7 審判

審判では,裁判官が,法的調査と社会調査を踏まえて,少年の最終的な処遇を決定します。

少年保護事件では,成人のように公開法廷での公判が開かれることはなく,非公開の審判という手続きで審理が行われます(少年法第22条2項)。
  

8 保護処分

⑴ 保護処分の概要

成人の刑事事件では,犯罪事実が認定されれば,それに対する制裁として,刑罰を科すことが基本となります。

これに対して,少年事件・少年犯罪では,家庭裁判所の審判を経て,非行事実と要保護性が認定されれば,刑罰ではなく,保護処分を課すことが優先されます(保護処分優先主義)。
保護処分には,①保護観察,②児童自立支援施設又は児童養護施設送致,③少年院送致の3種類があります(少年法第24条)。
   

⑵ 保護観察

保護観察とは,少年を家庭や職場等に置いたまま,保護観察所の行う指導監督および補導援護という社会内処遇によって,少年の改善更生をはかろうとする保護処分です。

保護観察に付された場合には,決められた約束事を守りながら家庭などで生活し,保護観察官や保護司から生活や交友関係などについて指導を受けることになります。
   

⑶ 児童自立支援施設又は児童養護施設送致

児童自立支援施設又は児童養護施設送致とは,児童福祉法上の支援を行うことを目的として,要保護児童を開放施設に収容する保護処分です。

少年院とは異なり開放施設なので,原則として少年は自由で開放的な環境の中で訓練・指導を受けることができます。
   

⑷ 少年院送致

少年院とは,生活指導,教科教育,職業補導,情操教育,医療措置等を施すことにより,非行性の矯正を行うことを目的とする収容施設です。

少年院送致は少年院という閉鎖施設に少年を収容し少年の自由を拘束する点で,少年法上の3種類の保護処分の中で最も強力な処分といえます。
  

9 検察官送致(逆送)

逆送とは,家庭裁判所が送致された少年を調査した結果,保護処分ではなく刑事処分を科すことが相当であるとして検察に送致する決定を行います。
これが検察官送致決定であり,通常,「逆送」といわれています。
   
逆送がなされると,成人の刑事事件と同様の手続きとなります。

少年事件・少年犯罪の検察官送致(逆送)

 

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