抗告審,再抗告審

1 抗告とは

⑴ はじめに

家庭裁判所により審判の結果,保護処分決定がなされた場合には,上訴として高等裁判所に抗告することができます。
  

⑵ 抗告の対象

抗告の対象となるのは,保護処分決定,すなわち,保護観察,児童自立支援施設又は児童養護施設送致,少年院送致の決定であり,審判不開始決定や不処分決定は抗告の対象にはなりません。

また,検察官送致「逆送」決定も,家庭裁判所の決定によって少年の実体的な権利関係が生ぜず,中間的な処分に過ぎないことから,抗告の対象とならないとされています。
  

⑶ 抗告理由

抗告理由としては,①決定に影響を及ぼす法令違反,②重大な事実誤認,③処分の著しい不当が挙げられます。
   
ア 決定に影響を及ぼす法令違反
法令違反とは,調査・審判等の協議の審判手続きの法令違反のほか,刑事事件の控訴理由では法令適用の誤りにあたる実体法の解釈適用に関する法令違反も含まれるとされています。
   
イ 重大な事実誤認
事実誤認とは,保護処分の基礎となる事実の誤認をいい,事実には,非行事実のみならず,要保護性を基礎づける事実も含まれるとされています。
そして,「重大な」事実誤認とは,保護処分等の最終的な結論が異なるものとなる場合に限られるとされています。
   
ウ 処分の著しい不当
処分の著しい不当とは,要保護性の存否,内容,程度に関する家庭裁判所の合理的裁量を著しく逸脱しており,保護処分決定が適切・妥当な処遇ではないことをいいます。
    
具体的には,①要保護性がないあるいは要保護性が低く,保護処分に付す必要がないのに保護処分に付した場合,②保護処分の種類の選択を誤った場合,③少年院送致決定の場合に少年院の選択を誤った場合が考えられます。
    
原決定の処分が著しく不当であったか否かの判断材料として,原決定後の少年の反省や示談の成立など,原決定後の事情を考慮することができます。
保護処分は可塑性を有する少年の要保護性の変化に対応して行われるべきであることや,刑事控訴審も原判決後の事情を考慮して量刑不当の判断を行っていることが理由とされます。
 

2 再抗告審について

⑴ はじめに

高等裁判所による抗告審の決定に対して不服がある場合には,最高裁判所にさらに抗告することができます。
これを再抗告といいます。
   

⑵ 再抗告理由

再抗告理由としては,①憲法に違反し,もしくは憲法の解釈に誤りがあること,②最高裁判所もしくは控訴裁判所である高等裁判所の判例と相反する判断をしたことが挙げられます。

 

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