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(報道事例)無銭飲食をした2人の少年を詐欺罪の疑いで逮捕

2024-01-03

(報道事例)無銭飲食をした2人の少年を詐欺罪の疑いで逮捕

少年事件 無銭飲食 詐欺罪

今回は、千葉県四街道市内の飲食店で無銭飲食をしたとして、詐欺罪の疑いで少年2人が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説していきます。

・参考事例

四街道署は26日、詐欺(無銭飲食)の疑いでいずれも四街道市に在住の17歳の少年2人を再逮捕しました。
2人の再逮捕容疑は共謀し、同市内のファミレスでサーロインステーキなど9900円分を無銭飲食した疑いです。

同署によると、2人は「おなかが減って何か食べたいと思ったが、仕事を始めたばかりで給料も入っておらずお金がなかったため」などと容疑を認めています。
(※12/27に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「「仕事始めたばかりお金なかった」 少年2人、ファミレスでサーロインステーキなど無銭飲食 容疑で逮捕 四街道署」記事の一部を変更して引用しています。)

・無銭飲食で問われる罪

無銭飲食とは、レストランやカフェなどで食事や飲み物を注文し、代金を支払わずに店を去る行為を指します。
一見、単なるマナー違反や社会的な非難の対象に思えるかもしれませんが、実は無銭飲食は刑法上の犯罪行為として扱われることがあります。

無銭飲食をした場合に問われる可能性がある罪として、刑法第246条で規定されている詐欺罪が挙げられます。

  • 刑法第246条(詐欺)
    人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
     前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

詐欺罪が成立するためには、特定の要件が満たされなければなりません。
これらの要件は、刑法によって明確に定義されており、無銭飲食のケースにおいても同様に適用されます。
以下は詐欺罪成立のための主要な要件です。

欺罔行為(人を欺く行為)

犯人が意図的に虚偽の情報を提供し、他人を欺く行為です。
無銭飲食の場合、注文時に支払い能力がないにも関わらず、支払う意思があるかのように装うことがこれに該当します。

錯誤(被害者の誤解)

被害者が犯人の欺罔行為によって誤った認識を持つことです。
例えば、店員が客が支払いを行うと信じて食事を提供する場合、この要件が満たされます。

財産の処分

被害者が財産を犯人に渡すことです。
飲食店のケースでは、食事や飲み物の提供が財産の処分にあたります。

不法な利益の獲得

犯人または第三者が財産上の利益を不法に得ることです。
無銭飲食では、食事を無料で得ることがこれに該当します。

これらの要件が全て満たされた場合にのみ、詐欺罪が成立します。
無銭飲食における詐欺罪の成立は、これらの要件を基に判断されるため、事件の具体的な状況や犯人の意図が重要な要素となります。

・無銭飲食は2パターンの詐欺罪がある?

無銭飲食には、詐欺罪が成立する2つのパターンがあります。
それぞれ見ていきましょう。

意図的な無銭飲食

これは、注文時点で既に支払う意思がない場合に該当します。
このケースでは、客は飲食店に対して支払い能力があると偽ってサービスを受け、詐欺の意図を持って行動していると見なされます。
法的には、これは一項詐欺罪(刑法第246条第1項)として扱われる可能性が高いです。

状況変化による無銭飲食

注文時には支払う意思があったが、後に支払いを避けるために嘘をつくケースです。
例えば、「財布を忘れた」と偽って店を出るなどの行為がこれに該当します。
この場合、二項詐欺罪(刑法第246条第2項)の成立が検討されます。

一項詐欺罪と二項詐欺罪の主な違いは、詐欺罪を行う際の意図と行動のタイミングにあります。
一項詐欺罪は計画的な詐欺行為に焦点を当て、二項詐欺罪は状況に応じた即興的な詐欺行為を対象とします。

・お子様が詐欺罪で逮捕されたら弁護士へ

今回の事例のように、刑法において20歳未満は「少年として扱われ、少年が刑事事件を起こす少年事件」には少年法が適用されます。

少年事件は成人の刑事事件と手続きや流れが異なる点がいくつかありますが、逮捕・勾留段階についてはほとんど同様の手続きが取られます。
つまり、少年であっても逮捕・勾留されて身柄が拘束される可能性があるということです。

子どもが少年事件を起こして逮捕されてしまい、その後の身柄拘束を防ぎたいという場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼をして勾留阻止を求める書面を提出してもらったり、弁護士から検察官や裁判官に対して勾留の必要がないことを主張したりすることで、早期釈放の可能性を高めることができます。

弁護士の中でも、少年事件に詳しく経験豊富な専門の弁護士に依頼することで、早期釈放の可能性をより高めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺罪はもちろん、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が詐欺罪で逮捕されてしまったという方は、まずは弊所までご相談ください。

ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

(用語解説)少年事件の「法律記録」と「社会記録」

2023-12-27

(用語解説)少年事件の「法律記録」と「社会記録」

法律記録 社会記録

少年事件は成人が刑事事件を起こした場合と手続きや内容が異なる点がいくつかあります。
今回は、少年事件における「法律記録」と「社会記録について、それぞれの内容や違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・少年事件と成人の刑事事件の違い

少年事件における「法律記録」と「社会記録」について解説する前に、まずは少年事件と成人の刑事事件の大まかな違いについて見ていきましょう。

刑法において、20歳未満は少年として扱われ、少年が刑事事件を起こした場合は少年事件として手続きが進んでいきます。

成人の刑事事件は罰金刑や懲役刑などの刑事処分を与えることに対し、少年事件では原則として刑事処分は与えられません
少年事件は成人の刑事事件と異なり、少年の更生を目的とした「保護処分が与えられます。
保護処分には、保護観察児童自立支援施設・児童養護施設送致少年院送致などがあります。

また、少年事件は、原則として全ての事件が警察や検察などの捜査機関から家庭裁判所に送致される「全件送致主義がとられていることも特徴の一つです。
家庭裁判所に送致された後は、家庭裁判所の調査官が少年について調査を行い、どのような処分が適切かを判断します。
調査官は調査の内容に応じて、少年審判を開始するかどうかを判断し、少年審判が開始されれば、少年審判で最終処分が下されます。

他にも少年事件特有の手続きがありますが、詳しく知りたい方は下記ページをご覧ください。
少年事件・少年犯罪の流れ

・「法律記録」と「社会記録」

少年事件の記録には、法律記録社会記録の2つがあります。
これらは記録されている内容が違うので、それぞれ見ていきましょう。

法律記録とは、警察や検察などの捜査機関によって作成された少年の非行事実を裏付ける証拠となる記録を指します。
具体的には、捜査報告書供述調書実況見分調書などが法律記録に該当します。

社会記録とは、少年の人間性や家庭環境、周囲の環境などを調査した結果をまとめている記録を指し、家庭裁判所に送致された後に作成されます。
具体的には、調査官の調査報告書少年鑑別所で作成される鑑別結果報告書などが社会記録に該当します。

また、法律記録と社会記録には閲覧と謄写に関する規定が少年審判規則第7条で以下のように規定されています。

  • 少年審判規則第7条(記録、証拠物の閲覧、謄写)
    保護事件の記録又は証拠物は、法第五条の二第一項の規定による場合又は当該記録若しくは証拠物を保管する裁判所の許可を受けた場合を除いては、閲覧又は謄写することができない。

    2 付添人(法第六条の三の規定により選任された者を除く。以下同じ。)は、前項の規定にかかわらず、審判開始の決定があつた後は、保護事件の記録又は証拠物を閲覧することができる。

第1項では、少年事件(保護事件)の記録は裁判所からの許可がないと閲覧や謄写ができない旨が規定され、第2項では、付添人であれば裁判所の許可を得る必要なく記録を閲覧できる旨が規定されています。

ただ、記録の謄写については付添人であっても裁判所からの許可が必要になります。
付添人とは、少年事件が家庭裁判所に送致された後に少年の権利を守る役割を担う人を指し、成人の刑事事件における「弁護人」にあたるものです。
付添人は、一般的に弁護士がなることがほとんどです。(※少年事件においても家庭裁判所に送致される前は弁護人として活動します)

・お子様が事件を起こしたら専門の弁護士へ相談

今回は、少年事件における法律記録と社会記録について解説してきました。
少年事件と成人の刑事事件との大まかな違いについても説明しましたが、少年事件は特有の手続きが行われることが多いため、弁護士に相談する場合は、少年事件に詳しく経験が豊富な専門の弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。

お子様が少年事件を起こしてしまって今後どうなるかわからないと不安な方は、まずは弊所までご相談ください。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

(事例紹介)少年が強盗未遂事件を起こすと刑事処分を受ける?

2023-12-20

(事例紹介)少年が強盗未遂事件を起こすと刑事処分を受ける?

強盗未遂事件 少年

今回は、千葉県で起きた少年らによる強盗未遂事件をもとに、少年が強盗未遂事件を起こした場合の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説していきます。

・参考事例

千葉県柏市内の住宅に押し入り、高齢の女性を押し倒して現金を奪おうとしたとして、千葉県内に住む16歳と17歳の少年4人が強盗未遂などの疑いで逮捕されました。

警察によりますと、4人は柏市豊住の住宅に押し入り、女性V(83)を押し倒して「金を出せ」などと脅したうえ、現金を奪おうとしたとして、強盗未遂などの疑いが持たれています。
Vが大声を出したところ、何も奪わずに逃走したということで、Vにけがはありませんでした。

警察が周辺の防犯カメラを分析するなどして捜査した結果、4人が関わった疑いがあることがわかったということです。
調べに対し4人は友人どうしだと話したうえで、「盗んだお金は分け合うことになっていた」などと供述し、容疑を認めているということです。
(※12/19に『NHK NEWS WEB』で配信された「柏市で強盗未遂事件 少年4人逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)

・少年が強盗未遂事件を起こした後の流れは?

逮捕された少年らは16歳~17歳であるため、今回の強盗未遂事件少年法が適用されて少年事件として扱われます

少年事件は20歳以上の成人が刑事事件を起こした場合と流れが異なる箇所があり、原則として全ての少年事件は家庭裁判所に送られます
家庭裁判所に事件が送られた後は、家庭裁判所による少年の調査が行われ、調査の結果、必要に応じて審判を開き、最終的に少年に対する保護処分を下します。

少年事件における保護処分とは、懲役刑や罰金刑といった刑事処分とは違い、少年の更生を目的とした処分です。
保護処分には、保護観察、児童自立支援施設・児童養護施設送致、少年院送致などがありますが、どれも少年の更生させるための処分であり、これらの処分を受けたからといって前科はつきません。

つまり、少年事件は基本的に刑罰を受けなということになります。
ただ、少年事件の内容によっては、例外として刑事処分を受けることになる場合があります。

・強盗未遂事件は少年でも刑事処分を受ける?

少年事件は基本的に刑罰を受けずに保護処分が下されると前述しましたが、家庭裁判所による調査の結果、保護処分ではなく刑事処分が相当であると判断された場合、事件が家庭裁判所から検察官に送致される「逆送が行われます。

逆送については、少年法第20条で以下のように規定されています。

  • 少年法第20条(検察官への送致)
    家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁固に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもって、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
    (第2項省略)

強盗未遂罪のような未遂犯については刑を減軽することができると刑法第43条で規定されていますが、刑法第236条で規定されている強盗罪の処罰内容は「5年以上の有期懲役」と懲役刑しか規定されていないため、減刑されたとしても家庭裁判所の判断によっては逆送される可能性があります。

つまり、強盗未事件を起こしたのが少年だったとしても、逆送されれば成人の刑事事件と同様に扱われるため、起訴されれば刑事裁判が開かれて刑事処分を受ける可能性があるということです。

強盗未遂罪のような重大な犯罪を少年が起こした場合、逆送される可能性は十分にあります。
逆送を阻止する可能性を少しでも高めるためには、少年事件に精通した専門の弁護士に相談することが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

お子様が強盗未遂事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

(事例紹介)少年事件で下される「保護観察」処分とは?

2023-12-13

少年 保護観察とは

今回は、沖縄県で起きた少年事件で少年らに保護観察処分が下された事例をもとに、少年事件で下される「保護観察」処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

那覇市内にある公園で9月、外国人女性がショルダーバッグをひったくられた事件で、那覇家庭裁判所は12日までに、窃盗の非行内容で家裁送致されていた17歳の男子高校生3人の少年審判を開き、それぞれ保護観察処分とすることを決めました。(以下略)
(※12/13に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「外国人女性からショルダーバッグをひったくる 高校生3人を保護観察処分に 那覇家裁」記事の一部を変更して引用しています。)

・「保護観察」処分とは

保護観察処分とは、事件を起こした少年に対して家庭裁判所が下す保護処分の一つです。

そもそも、20歳未満の少年が刑事事件を起こした場合は少年法が適用され、原則全ての事件が家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所に送致された後は、家庭裁判所による少年の調査が行われ、必要に応じて審判が開かれ、最終的に少年に対する保護処分が下されます。

保護処分とは、懲役刑や罰金刑といった刑事処分とは異なり、少年を更生させることを目的とした処分です。
刑事処分ではないため、保護処分を受けたことは前科にはなりません。

保護処分には、保護観察の他に、児童自立支援施設・児童養護施設送致少年院送致などの種類がありますが、今回は保護観察について解説していきます。

保護観察は、児童自立支援施設・児童養護施設送致や少年院送致のような施設への入所が必要な保護処分とは異なり、社会の中で生活しながら更生を目指す保護処分です。
保護観察処分が下された後は、保護観察期間中に守らないといけないルール(遵守事項)が決められ、これに違反しないように生活をしていく必要があります。

また、保護観察期間中は、保護観察官や保護司と定期的に面談や連絡を行い、生活状況などのチェックを受けることになります。
遵守事項を守って生活をしていれば特に問題ありませんが、保護観察期間中に遵守事項を破ったり問題を起こしてしまったりすると、必要に応じて少年院へ収容される可能性もあります。

・子どもが事件を起こしてしまったら弁護士へ

今回は、保護観察処分について解説してきました。
保護観察は施設に入所せずに社会生活の中で更生を目指す保護処分なので、児童自立支援施設・児童養護施設送致や少年院送致に比べると比較的負担は少ないです。

お子様が事件を起こしてしまってどうすればいいか分からないと不安になっている方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
ただ、少年事件は成人の刑事事件とは流れや手続き、弁護士の活動内容が異なるため、弁護士の中でも少年事件を担当した経験が豊富な弁護士に相談することが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中なので、お気軽にお問い合わせください。

(事例紹介)バイクでの暴走行為で問われる罪は?

2023-12-06

少年 暴走行為

複数台のバイクで蛇行運転や信号無視をしながら走行するといった、いわゆる暴走行為は少年らが行う傾向が多いです。
今回は、暴走行為で問われる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

バイクに乗り、信号無視など危険な運転を繰り返した疑いで、暴走族の少年4人が摘発されました。
警察が押収した2台のバイクはマフラーが改造され、ステッカーが貼られています。

このバイクを運転していた17歳と16歳の少年が道路交通法違反の疑いで逮捕されました。
警察によりますと今年8月、長野県内にある県道でバイクに乗り、信号無視や蛇行運転などを繰り返した疑いです。
またバイクに同乗していた少年2人についても、書類送検しました。

少年たちは5月下旬から長野県内にあるインターチェンジ付近の商業施設の周辺で、暴走行為を繰り返していて警察に苦情が寄せられていました。
4人は容疑を認めているということです。
(※11/27に『abn長野朝日放送』で配信された「バイクで暴走運転か 少年4人道路交通法違反で逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)

・暴走行為で問われる罪は?

参考事例で少年らが逮捕されているように、暴走行為道路交通法違反に該当する可能性が高いです。
複数台のバイクで蛇行運転や信号無視をしながら走行するような暴走行為は、道路交通法における「共同危険行為」に該当し、同法第68条で以下のように規定されています。

  • 道路交通法第68条(共同危険行為等の禁止)
    2人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において2台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。
    (罰則 第117条の3)

共同危険行為による道路交通法違反が成立した場合、同法第117条の3で規定されている2年以下の懲役または50万円以下の罰金」で処罰されます。

  • 道路交通法第117条の3
    第68条(共同危険行為等の禁止)の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

参考事例の少年らは、2台の改造バイクで信号無視や蛇行運転を繰り返していたと報道されています。
つまり、少年らの行為は共同危険行為に該当するため、共同危険行為の禁止による道路交通法違反で逮捕されたと考えられます。

・20歳未満の少年は刑事処分を受けない?

参考事例で逮捕された少年らは20歳未満であるため、少年法が適用されます。
民法では成人年齢が18歳に引き下げられましたが、刑法においては20歳以上が成人、20歳未満は少年として扱われます。

原則として、少年事件では「刑事処分」を与えるのではなく、必要に応じて少年の更生を目的とした「保護処分が与えられます。
ただ、これはあくまで原則であり、少年であっても家庭裁判所による調査の結果、刑事処分を与えることが相当と判断されると、成人と同様に懲役刑罰金刑が科される可能性があります。

家庭裁判所が刑事処分相当と判断しないためには、少年が深く反省していることや刑事処分を与えなくても少年が更生できるといったことを主張することが重要になります。
弁護士に依頼することで、弁護士が付添人として上記の内容を家庭裁判所にアピールし、少年になるべく軽い処分が下されるように尽力します。

ただ、少年事件は成人の刑事事件とは流れや手続きが異なるので、弁護士の中でも少年事件の弁護・付添人活動の経験が豊富な弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故や少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。

ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて承っております。
お子様が暴走行為による道路交通法違反事件を起こしてしまったという方は、まずは弊所までご相談ください。

(事例紹介)少年が傷害致死事件を起こすとどうなる?

2023-11-29

(事例紹介)少年が傷害致死事件を起こすとどうなる?

少年 傷害致死罪 検察官送致

今回は、男性と口論になり暴行を加えて怪我を負わせたとして少年が傷害罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

男性はその後死亡しているため、少年に傷害致死罪が成立した場合の流れについてみていきましょう。

・参考事例

24日午後、堺市内にある集合住宅の敷地内で男性V(76)を殴るなどしたとして、19歳の少年が現行犯逮捕されました。
Vはその後、搬送先の病院で死亡しました。

傷害の疑いで現行犯逮捕されたのは大阪府内に住む会社員の少年A(19)です。
Aは24日、堺市にある集合住宅の敷地内で、住人のVを殴ったり蹴ったりしてけがをさせた疑いがもたれています。

Vが倒れ、血を流していたことから少年が自ら119番通報したということです。
(中略)

警察は今後、傷害致死の疑いも視野に捜査を進める方針です。
(※11/25に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「「高齢の男性が文句を言ってきて言い合いになった」 76歳の男性を殴るなどしたとして19歳の少年を逮捕 男性はその後死亡」記事の一部を変更して引用しています。)

・少年が傷害致死事件を起こすとどうなる?

20歳未満の者が刑事事件を起こした場合、少年法が適用されて少年事件として成人が刑事事件を起こした場合と異なる手続きがとられます。

通常の少年事件は、原則として全ての事件が家庭裁判所に送致され、必要に応じて家庭裁判所で審判が開かれて保護処分が下されるという流れになります。
ただ、少年が傷害致死事件を起こした場合、例外として上記の流れとは異なる手続きがとられます。

犯行当時の少年の年齢が16歳以上であり、故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた少年事件の場合、原則として家庭裁判所は事件を検察官に送致しなければなりません
これを検察官送致(逆送)といい、少年法第62条第2条で以下のように規定されています。

  • 少年法第62条(検察官への送致についての特例)
    家庭裁判所は、特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
     前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件については、同項の決定をしなければならない。ただし、調査の結果、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
    一 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの
    二 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)

今後、Aに傷害致死罪が適用されて逆送された場合、検察官は原則として起訴しなければならないため、少年事件が成人事件と同様に扱われることになり、成人と同じ刑事裁判が開かれる可能性があります。

・子どもが傷害致死事件を起こしてしまったら弁護士へ

前述したように、検察官送致(逆送)されると、少年事件であっても成人と同様の刑事事件として裁判が開かれて処罰を受ける可能性があります。
逆送されて刑事裁判を受けることになると、少年であっても前科がつくことになり、実名報道されるリスクもあります

子どもが検察官送致(逆送)される可能性がある事件を起こしてしまった場合、早急に弁護士に弁護・付添人活動を依頼することをおすすめします。
逆送された場合であっても、調査の結果、刑事処分以外が相当であると認められれば保護処分を獲得できることもあるため、弁護士は刑事処分を受けないための弁護・付添人活動に尽力します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が少年事件を起こしてしまったという方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご相談ください。

(事例紹介)少年院とはどんな場所?少年院にも種類がある?

2023-11-22

(事例紹介)少年院とはどんな場所?少年院にも種類がある?

少年院 種類

今回は、沖縄県那覇市で少年が起こした強盗傷害事件少年院送致による保護処分が決定したという事例をもとに、少年院について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

那覇市内で6月と8月に計3件発生した強盗傷害事件で、那覇家裁は21日までに、強盗傷害の非行内容で家裁送致された当時17~18歳の少年7人のうち、3人の少年審判を開き、それぞれ第1種少年院送致とする保護処分を決めました。

県警の調べでは3人は8月、同市内の路上で60代男性に顔面挫傷を負わせる暴行を加え、現金1万円などが入ったショルダーバッグを奪ったとされています。(以下略)
(※11/22に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「男性を暴行しバッグ奪った少年3人を少年院へ 那覇家裁 那覇市の強盗傷害事件」記事の一部を変更して引用しています。)

・少年院とはどんな場所?

そもそも、刑法において20歳未満の者は「少年」として扱われ、少年が刑事事件を起こすと少年事件として少年法が適用されます。
少年事件は、原則全ての事件が家庭裁判所に送致され、家庭裁判所で審判が開かれ、必要に応じて少年に対し「保護処分」が下されます。
この「保護処分」の一つが少年院送致です。

少年院とは、審判で少年院送致の保護処分を受けた少年や、検察官逆送により懲役刑や禁錮刑の執行を受けた少年を収容する施設を指します。
刑事事件を起こして懲役刑や禁固刑の処罰を受けた成人が収容される刑務所とは異なり、少年院は少年に対する矯正教育を目的とした施設です。

少年院では、なぜ自分が事件を起こしてしまったのか、二度と事件を起こさないためにどのようにすればいいのかを考えたり、社会復帰した際に社会生活に適応できるための知識や能力を学びます。

・少年院にも種類がある?

少年院の種類については少年院法第4条で規定されていて、大きく以下の5つの種類に分けられます。

<少年院の種類>

第1種少年院 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない概ね12歳以上23歳未満の者
第2種少年院 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がない犯罪的傾向が進んだ概ね16歳以上23歳未満の者
第3種少年院 保護処分の執行を受ける者であって、心身に著しい障害がある概ね12歳以上26歳未満の者
第4種少年院 少年院において刑の執行を受ける者
第5種少年院 少年法第64条第1項第2号の保護処分の執行を受け、かつ、同法第66条第1項の規定による決定を受けた者

第5種少年院については、2年の保護観察に付されている18〜19歳の特定少年で、保護観察中に遵守すべき事項を遵守せず、少年院で処遇を行わなければ本人の改善や更生を図ることができないと認められた少年が収容されます。

・少年院送致を避けるには弁護士へ

少年院送致は、家庭裁判所の審判において少年に下される保護処分の中でも特に重い内容です。
少年院は閉鎖されている施設のため、原則として外出することも許されず、少年院内で遵守事項を違反したり職員の指示に従わなければ懲戒を受けることもあります。

子どもが事件を起こしてしまったけど、少年院送致は避けたいという場合は、弁護士に弁護・付添人活動を依頼することをおすすめします。
ただ、少年事件は通常の刑事事件とは異なる手続きがとられるため、弁護士の中でも少年事件に強く経験豊富な弁護士に依頼することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件で弁護・付添人活動を担当し、少年院送致を阻止した実績を持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が少年事件を起こしてしまったという方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご相談ください。

(事例紹介)女性に抱きついた少年を強制わいせつ罪の疑いで逮捕

2023-11-15

(事例紹介)女性に抱きついた少年を強制わいせつ罪の疑いで逮捕

少年 強制わいせつ罪

今回は、路上で背後から女性に抱きついて体を触ったとして、強制わいせつ罪の疑いで逮捕された少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

佐賀北署は12日、強制わいせつの疑いで、佐賀市在住の少年A(17)を逮捕しました。

逮捕容疑は5月5日、佐賀市内で歩道を歩いていた30代女性Vに背後から抱きつき、体を触った疑いです。
取調べに対し、Aは「間違いない」と容疑を認めています。

同署によると、生徒と女性に面識はなかったとのことでした。(以下略)
(※11/14に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「わいせつ容疑で佐賀県立高校の男子生徒逮捕 佐賀北署 路上で歩行者に抱きつく」記事の一部を変更して引用しています。)

・少年が強制わいせつ事件を起こすとどうなる?

今回逮捕されたAは17歳であるため、少年法が適用されます。
刑法において、「少年」とは20歳未満の者を指し、少年が刑事事件を起こした場合は「少年事件」として扱われます。

Aが起こした事件は、背後から女性に抱きついて体を触ったという内容であり、この行為に強制わいせつ罪の疑いが持たれています。
強制わいせつ罪については、令和5年7月に施行された改正刑法で名称が「不同意わいせつ罪」に変更されており、適用される範囲や法定刑などが変わりました。
ただ、今回の事件が起きたのは改正刑法が施行される前の出来事だったため、不同意わいせつ罪ではなく強制わいせつ罪が適用されているということになります。

少年事件と成人が起こす刑事事件(以下「成人事件」と言います。)では異なる点がいくつかあり、大きな違いの一つとしては、成人は懲役刑や罰金刑などの処罰が与えられることに対し、少年事件は「保護処分」として処罰ではなく少年の性格の矯正や環境を調整して健全な育成を行うことを目的としていることが挙げられます。

つまり、今回のAのような少年が強制わいせつ事件を起こした場合、強制わいせつ罪に規定されている法定刑で処罰されるのではなく、少年の性格や環境を調査して、今後同じような非行をしないための健全な育成を目的とした保護処分が下される可能性があるということになります。

・逮捕されたAの今後の流れは?

逮捕されたAは、まず警察や検察などの捜査機関から取調べを受け、検察官が引き続き身柄を拘束するべきかどうかを判断します。

身柄を拘束する必要がなければ釈放されますが、必要があると判断されれば、勾留勾留に代わる観護措置がとられて逮捕に引き続き身柄を拘束される可能性があります。

その後、事件が家庭裁判所に送致され、家庭裁判所がAの精神状態や性格、交友関係や家庭環境などを調査し、審判(=成人事件における裁判)を開く必要があると判断されれば、審判が開かれます。

審判が開かれて、Aに対して保護処分を与える必要があると判断されれば、保護観察少年院送致といった保護処分が与えられます。

勾留や勾留に代わる観護措置がとられたり審判が開かれてしまうと、学校に行けなくなったり学校に事件のことが発覚して退学になってしまうおそれがあります。
このような事態を防ぐためには、弁護士から具体的なアドバイスを受けることが重要になります。

また、少年事件は成人事件とは異なる手続きがとられるため、弁護士の中でも少年事件に強く経験豊富な弁護士に相談することがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が事件を起こしてしまったという方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120−631−881)までご相談ください。

(事例紹介)少女に淫行させた少年を児童福祉法違反の疑いで逮捕

2023-11-08

(事例紹介)少女に淫行させた少年を児童福祉法違反の疑いで逮捕

児童福祉法違反 少年事件

今回は、静岡県で起きた児童福祉法違反による少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

18歳未満であることを知りながら、10代の少女にみだらな行為をさせたとして、静岡市に住む17歳の少年逮捕されました。

児童福祉法違反の疑いで再逮捕されたのは、静岡市在住の少年A(17)です。
警察によると、Aは3月下旬、静岡市内で18歳未満であることを知りながら、同県在住の少女V(10代)にSNSで募った30代の男性とみだらな行為をさせた疑いが持たれています。

Aは、VにSNSで「女の子電話下さい。電話くれたら電子マネーあげます」などと募集していた「自称・おじさん」に電話をかけさせ、お金を振り込ませていました。
そして、この件に関して「俺が捕まったらお前も捕まるぞ」などと脅し、口止め料と称して50万円要求、支払えなかったVに「稼ぎ方を教えてやる」とSNSで募った複数人の男性とみだらな行為をさせていた、とみられています。

VはAに口止め料として現金10万円を渡したあと、警察に相談して事件が発覚、Aは10月恐喝の疑いで逮捕されました。
(※11月6日に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「「稼ぎ方教えてやる」…少女に男性とみだらな行為させたか 逮捕された17歳の少年「色んな人と淫行させた」 静岡中央警察署」記事の一部を変更して引用しています。)

・児童福祉法とは

児童福祉に関する権利や保障などについて定められた児童福祉法の中には、児童に淫行をさせる行為について同法第34条第1項第6号で以下のように規定されています。

  • 児童福祉法第34条
    何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
    (第1~5号省略)
    6 児童に淫行をさせる行為
    (第2項省略)

「児童」とは満18歳に満たない者と定義(児童福祉法第4条第1項)され、「淫行」とは児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又は性交類似行為と解釈されています。
淫行を「させる」とは、児童が淫行をすることを助長させるような行為を指します。

今回の事例で記載されている「みだらな行為」は「淫行」と同じ意味合いになります。
つまり、AはVに淫行をすることを助長し、淫行をさせているため、Aは児童福祉法違反の疑いで逮捕されたと考えられます。

・子どもが児童福祉法違反で逮捕されたら弁護士へ

児童に淫行をさせたとして児童福祉法違反が成立すると、同法第60条第1項の規定により10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又は併料で処罰されます。

刑事事件において、20歳未満の人は「少年として扱われ、少年が刑事事件を起こすと「少年事件」となり、成人の刑事事件とは手続きが異なります。

▼少年事件の流れについて詳しく知りたい方はこちら
・少年事件・少年犯罪の流れ

少年事件特有の手続きがとられることもあるため、子どもが児童福祉法違反による少年事件を起こしてしまった場合は、まずは少年事件に強い弁護士に相談することをおすすめします。
少年事件に強い弁護士に相談することで、少年事件の流れや今後の見通しについて詳しく説明を受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件で弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
お子様が児童福祉法違反による少年事件で逮捕されてしまったという方は、まずは24時か365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

(事例紹介)出勤途中の男性を殴った少年を傷害罪の疑いで逮捕

2023-11-01

(事例紹介)出勤途中の男性を殴った少年を傷害罪の疑いで逮捕

少年事件 傷害罪

今回は、福島県で起きた傷害罪による少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

・参考事例

10月31日、警察は傷害の容疑で郡山市に住む無職の少年A(16歳)を逮捕しました。
警察によると、Aは10月20日の午前8時45分頃、郡山市中町の路上で出勤途中の男性V(60代)に後ろから殴りかかり、顔などにけがをさせた疑いがもたれています。

警察は防犯カメラの映像などからAを割り出し逮捕したとしていて、Aは「間違いありません」と容疑を認めているということです。
VとAに面識はなく、警察は少年が無差別的に男性に殴り掛かったと見て捜査しています。
(※10月31日に『FTV 福島テレビ』で配信された「逮捕されたのは16歳の少年 出勤途中の男性に背後から突然殴りかかってけがをさせた疑い<福島県>」記事の一部を変更して引用しています。)

・傷害罪とは

今回の事例では、Aは傷害罪の疑いで逮捕されています。
傷害罪については、刑法第204条で以下のように規定されています。

  • 刑法第204条(傷害)
    人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪に似た罪として暴行罪(刑法第208条)がありますが、傷害罪と暴行罪の違いは、暴行行為の結果、相手(被害者)が傷害(怪我)を負ったかどうかです。
暴行を加えた結果、相手が怪我を負った場合は傷害罪、相手が怪我を負わなかった場合は暴行罪が成立します。

今回の事例で考えると、AはVに対して後ろから殴りかかり、顔などに怪我を負わせています。
つまり、暴行を加えた結果Vの身体を傷害しているため、Aは傷害罪の疑いで逮捕されたということになります。

傷害罪が成立すると、15年以下の懲役または50万円以下の罰金で処罰されます。

・少年が傷害罪で逮捕された後の流れ

今回の事例のように、20歳未満の人が刑事事件を起こすと、少年事件として扱われ、通常の成人事件と手続きが異なります。

逮捕までの手続きは成人事件と同様の流れになり、逮捕後48時間以内に警察から検察官に事件の記録が送られます。
検察官に事件の記録が送られた後は、検察官が勾留するのか、勾留に代わる観護措置をとるのか、勾留はせずに家庭裁判所に送致するのか判断します。

勾留・勾留に代わる観護措置がとられると、少年の身柄は逮捕に引き続き拘束されることになります。
勾留に代わる観護措置とは、成人事件にはなく、少年事件でのみとられる手続きです。
勾留に代わる観護措置がとられると、少年は鑑別所10日間収容されることになります。

また、少年事件は原則すべての事件が家庭裁判所に送致される「全件送致主義」がとられていて、家庭裁判所に送致された後、家庭裁判所が少年の調査を行います。
調査の結果、家庭裁判所は少年に対して最終的な処遇を決定します。

▼少年事件の詳しい流れについてはこちら
・少年事件・少年犯罪の流れ

少年事件を起こしてしまい、勾留や勾留に代わる観護措置がとられると、身体拘束が長引くことになり、学校に発覚して退学になるおそれもあります。
子どもが少年事件を起こして逮捕されてしまい、早期釈放してほしいという場合は、少年事件に強い弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の刑事弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。

初回無料の法律相談や、すでに逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご案内していますので、少年事件でお困りの方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

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